ドットプローブ課題を用いたBIS/BAS尺度日本語版の構成概念妥当性の検討1

「問題と目的」パーソナリティ研究の潮流の1つとして, 生物学的パーソナリティ理論がある. これはパーソナリティの基盤を生物学的要因と対応させ, パーソナリティ構造の妥当性を見出すものである. Gray(1970)はそれ以前の生物学的パーソナリティ理論のモデルに修正を加え, 人間の気質を行動抑制系(Behavioral Inhibition System;BIS)と行動賦活系(Behavioral Activation System;BAS)の二次元によって記述する強化感受性理論(Reinforcement Sensitivity Theory;RST)を提唱した. BISは罰への感受性を示す気...

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Veröffentlicht in:パーソナリティ研究 2011, Vol.19 (3), p.278-280
Hauptverfasser: 中村敏健, 守谷順, 平石界, 長谷川寿一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「問題と目的」パーソナリティ研究の潮流の1つとして, 生物学的パーソナリティ理論がある. これはパーソナリティの基盤を生物学的要因と対応させ, パーソナリティ構造の妥当性を見出すものである. Gray(1970)はそれ以前の生物学的パーソナリティ理論のモデルに修正を加え, 人間の気質を行動抑制系(Behavioral Inhibition System;BIS)と行動賦活系(Behavioral Activation System;BAS)の二次元によって記述する強化感受性理論(Reinforcement Sensitivity Theory;RST)を提唱した. BISは罰への感受性を示す気質であり, 不安の基盤を成すとした. 一方で, BASは報酬への感受性を示す気質であり, 衝動性の基盤を成すとした. そしてBISとBASはそれぞれ独自の神経生理学的基盤を持つ独立な概念とした. Grayの理論を測定する質問紙として, Carver & White(1994)によるBIS/BAS Scalesが現時点では信頼性・妥当性が高いとされ, 国際的に使用されている.
ISSN:1348-8406