89歳に手術を行った原発性肺多形癌の一例
[はじめに] 原発性肺多形癌は, 低分化な非小細胞癌で, 紡錘細胞あるいは巨細胞を10%以上含むか紡錘細胞と巨細胞のみからなる腫瘍である1). 発症平均年齢はおよそ65歳で, 男女比4.5:1と男性に多い. 頻度は全肺腫瘍の約0.3%で, 肺右上葉に好発し, 喫煙との関連が大きい2). リンパ節転移は比較的少ないが, 発育が非常に早く, 早期に胸膜浸潤や遠隔転移を起こす2). また, ほとんどが切除検体の病理検査で確定診断されることが多く, 術前に診断をつけるのは困難である2). 一方, 化学療法の効果は低く, 現時点では手術以外に根治が望める治療法はない3). 予後は非常に不良で, Fish...
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Veröffentlicht in: | 福岡医学雑誌 2012-09, Vol.103 (9), p.182-185 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | [はじめに] 原発性肺多形癌は, 低分化な非小細胞癌で, 紡錘細胞あるいは巨細胞を10%以上含むか紡錘細胞と巨細胞のみからなる腫瘍である1). 発症平均年齢はおよそ65歳で, 男女比4.5:1と男性に多い. 頻度は全肺腫瘍の約0.3%で, 肺右上葉に好発し, 喫煙との関連が大きい2). リンパ節転移は比較的少ないが, 発育が非常に早く, 早期に胸膜浸潤や遠隔転移を起こす2). また, ほとんどが切除検体の病理検査で確定診断されることが多く, 術前に診断をつけるのは困難である2). 一方, 化学療法の効果は低く, 現時点では手術以外に根治が望める治療法はない3). 予後は非常に不良で, Fishbackらの報告によると, 5年生存率は10%程度である2). 今回, 89歳と高齢ではあったが, このように悪性度の高い原発性肺多形癌に対して根治切除を行った1例を経験したので報告する. [症例] 症例は89歳男性, 主訴は咳嗽であった. 平成23年12月上旬に咳嗽が出現したため近医を受診した. |
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ISSN: | 0016-254X |