hTERTプロモーターを使用した制限増殖型アデノウイルスによる肺癌および各種固形癌に対する治療の基礎研究
「はじめに」テロメアは真核生物染色体の終末に存在する核酸と蛋白質の複合体で, その機能は染色体末端を識別し複製を容易にすることである1). テロメアDNAの末端構造の配列は有機体によって異なるが, 哺乳動物細胞では5'-TTAGGG-3'のようにグアニンに富んだ短い反復配列を持つ2)3). またテロメアは広汎に発現しているRNAサブユニット[Telomerase RNA成分(TERC)]とタンパク質触媒サブユニットであるhuman Telomerase Reverse Transcriptase(hTERT)で構成されるリボ核タンパク質テロメラーゼと呼ばれる逆転写酵素によっ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 福岡医学雑誌 2009-11, Vol.100 (11), p.338-348 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」テロメアは真核生物染色体の終末に存在する核酸と蛋白質の複合体で, その機能は染色体末端を識別し複製を容易にすることである1). テロメアDNAの末端構造の配列は有機体によって異なるが, 哺乳動物細胞では5'-TTAGGG-3'のようにグアニンに富んだ短い反復配列を持つ2)3). またテロメアは広汎に発現しているRNAサブユニット[Telomerase RNA成分(TERC)]とタンパク質触媒サブユニットであるhuman Telomerase Reverse Transcriptase(hTERT)で構成されるリボ核タンパク質テロメラーゼと呼ばれる逆転写酵素によって維持されている4). テロメアの維持は, 細胞の癌化において重要な役割を果たしており, 実際に多くの腫瘍組織でテロメラーゼの活性が検出されているが5)6), 正常ヒト細胞株ではほとんど活性はみられない7). さらにテロメラーゼ活性は広く乳癌, 前立腺癌, 肺癌, 肝臓癌, 膵臓癌, 大腸癌などの癌種で検出されるが6)8), 小細胞肺癌(Small Cell Lung Cancer;SCLC)ではテロメラーゼ活性が非常に高値を示すことが知られている9). |
---|---|
ISSN: | 0016-254X |