認知加齢研究からみた百寿者研究

「抄録」本稿では, 百寿者の認知機能に関する先行研究の概要と課題を紹介した. まず, 認知加齢研究からみた百寿者研究の意味について, 百寿者を含む超高齢期の加齢変化を記述すること, 認知加齢モデルについて述べた. その後, 百寿者の認知機能を測定する代表的な方法として, 認知機能検査と, 認知症の診断基準や行動観察を紹介した. そして, これまでの知見として(1)百寿者の認知症の有病率に関する研究, (2)百寿者の認知機能の特徴, (3)認知機能の個人差に関する研究, の概要を紹介した. 最後に, 認知機能の測定方法の課題や研究デザインについて言及し, 今後の展望を述べた. 「I. はじめに」...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:老年社会科学 2017-04, Vol.39 (1), p.44-53
Hauptverfasser: 石岡良子, 稲垣宏樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」本稿では, 百寿者の認知機能に関する先行研究の概要と課題を紹介した. まず, 認知加齢研究からみた百寿者研究の意味について, 百寿者を含む超高齢期の加齢変化を記述すること, 認知加齢モデルについて述べた. その後, 百寿者の認知機能を測定する代表的な方法として, 認知機能検査と, 認知症の診断基準や行動観察を紹介した. そして, これまでの知見として(1)百寿者の認知症の有病率に関する研究, (2)百寿者の認知機能の特徴, (3)認知機能の個人差に関する研究, の概要を紹介した. 最後に, 認知機能の測定方法の課題や研究デザインについて言及し, 今後の展望を述べた. 「I. はじめに」本稿では, 百寿者の認知機能に関する先行研究の概要と課題を紹介する. 先行研究の多くは, 百寿者の認知症の有病率に関する研究であるが, 百寿者の認知機能の特徴や認知機能の個人差に関する研究も取り上げ, 認知加齢研究からみた百寿者研究の面白さを共有したい.
ISSN:0388-2446