幼児のう蝕発症リスクからみた母子間のう蝕リスク因子の関連性
出生後における,母親から子へのう蝕病原性細菌の伝播に関する研究は数多く行われてきた.しかし,母子間のう蝕リスク因子についての関係はほとんど報告されていない.そこで,今回われわれは幼稚園児とその母親について,個々のう蝕リスク因子における母子間の関係,および子のう蝕リスクに関係する母親のう蝕リスク因子について検討を加えた.北九州市内の某幼稚園の協力のもと,幼稚園児とその母親を対象として口腔内診査を行った.口腔内診査を行う前に質問票調査を行い,口腔内環境に影響を及ぼす生活習慣の情報を収集し,口腔内診査により歯式,プラークスコアなどを診査した.また,唾液を採取し唾液量,唾液pH,およびう蝕菌比率などを...
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Veröffentlicht in: | 口腔衛生学会雑誌 2008/07/30, Vol.58(3), pp.168-176 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 出生後における,母親から子へのう蝕病原性細菌の伝播に関する研究は数多く行われてきた.しかし,母子間のう蝕リスク因子についての関係はほとんど報告されていない.そこで,今回われわれは幼稚園児とその母親について,個々のう蝕リスク因子における母子間の関係,および子のう蝕リスクに関係する母親のう蝕リスク因子について検討を加えた.北九州市内の某幼稚園の協力のもと,幼稚園児とその母親を対象として口腔内診査を行った.口腔内診査を行う前に質問票調査を行い,口腔内環境に影響を及ぼす生活習慣の情報を収集し,口腔内診査により歯式,プラークスコアなどを診査した.また,唾液を採取し唾液量,唾液pH,およびう蝕菌比率などを調べ,これらのデータについて解析を行った.母子について質問票調査項目および口腔内診査から得られた情報について解析した結果,カリエスリスク因子において母子間で,DMFT(dft),う蝕菌比率およびカリエスリスクスコアにおいて関連がみられた.さらに,重回帰分析により母親のう蝕菌比率が,子のカリエスリスクスコアに影響を及ぼす因子であった.本結果から母子間のう蝕リスク因子の関連が示唆された. |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.58.3_168 |