肺移植周術期の栄養管理

「I はじめに」肺移植は治療が不可能な末期呼吸不全患者に対し, 救命のために行われる. 日本において1998年から2017年までに日本臓器移植ネットワークに登録された肺移植希望患者は1,300人で, 期間中に肺移植が実施された患者は599人に上る. 2010年に改正臓器移植法が施行されると, 登録患者および脳死肺移植が増加し, 2017年の登録患者は136人, 肺移植実施患者は66人で, そのうち脳死肺移植実施患者は56人であり全体の85%を占めた. また, 移植後5年および10年生存率は脳死肺移植でそれぞれ71.7%, 55.7%, 生体肺移植で73.4%, 64.1%であり, 国際登録の成...

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Veröffentlicht in:外科と代謝・栄養 2019-02, Vol.53 (1), p.7-13
Hauptverfasser: 大島綾子, 西村亜希子, 原島伸一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」肺移植は治療が不可能な末期呼吸不全患者に対し, 救命のために行われる. 日本において1998年から2017年までに日本臓器移植ネットワークに登録された肺移植希望患者は1,300人で, 期間中に肺移植が実施された患者は599人に上る. 2010年に改正臓器移植法が施行されると, 登録患者および脳死肺移植が増加し, 2017年の登録患者は136人, 肺移植実施患者は66人で, そのうち脳死肺移植実施患者は56人であり全体の85%を占めた. また, 移植後5年および10年生存率は脳死肺移植でそれぞれ71.7%, 55.7%, 生体肺移植で73.4%, 64.1%であり, 国際登録の成績(成人の全肺移植において55%, 33%)を上回っているが, さらなる生存率の改善が望まれている. 日本では移植は重症度にかかわらず登録順に行われるため, 脳死肺移植を受けるまでおよそ2年間の待機期間があり, 待機中の死亡が問題となっている.
ISSN:0389-5564