片側性下顎過形成により生じた顔面非対称症に対して下顎頭形成術と上下顎移動術を同時に行った1症例

「緒言」顔面非対称症は種々の原因により起こることが知られているが, その一つに片側性の下顎過形成および下顎頭過形成によるものがある. 片側性の下顎過形成は顔面非対称のみならず咬合不全を引き起こすとされる. これを改善するために, その原因となる下顎頭の形成術と, 顎矯正手術とを一期的に行うか, あるいは二期的に行うかは議論の分かれるところである. 今回われわれは, 片側性下顎過形成による下顎非対称症に対し, 外科担当医と相談し, 立体模型によるシミュレーションに忠実に下顎頭形成術や上下顎の移動術を行うことで一期的治療が可能と考えた. また下顎頭形態変化による顎位変化というリスクに対し, 空隙の...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 2020, Vol.30(4), pp.281-292
Hauptverfasser: 上杉, 陽子, 武笠, 友里香, 坂本, 輝雄, 西井, 康, 伊藤, 亜希, 田中, 潤一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」顔面非対称症は種々の原因により起こることが知られているが, その一つに片側性の下顎過形成および下顎頭過形成によるものがある. 片側性の下顎過形成は顔面非対称のみならず咬合不全を引き起こすとされる. これを改善するために, その原因となる下顎頭の形成術と, 顎矯正手術とを一期的に行うか, あるいは二期的に行うかは議論の分かれるところである. 今回われわれは, 片側性下顎過形成による下顎非対称症に対し, 外科担当医と相談し, 立体模型によるシミュレーションに忠実に下顎頭形成術や上下顎の移動術を行うことで一期的治療が可能と考えた. また下顎頭形態変化による顎位変化というリスクに対し, 空隙の残存した術前矯正の状態で手術を行うことで術後矯正により対応可能と考えた. 結果, 一期的に下顎頭形成術と上下顎移動術を併用し, 良好な咬合を獲得した1例を経験したのでその概要を報告する. 「症例」患者 : 26歳, 男性.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd.30.281