1-1-AM2-1.骨格性下顎前突症患者の術前,術後の顎機能評価
顎変形症患者の治療目標は, 顎顔面の形態, 機能の改善である. 今回は, 下顎枝矢状分割法を行った骨格性下顎前突症患者の術前, 術後の顎機能の変化について健常人と比較検討した. 対象は骨格性下顎前突症患者で, 初診, 手術直前, 術後3カ月, 1年, 2年以上とし, 横断的調査を行った. 機能評価は, オクルーザルプレスケールによる平均圧力, 咬合力, 咬合接触面積と低粘着性発色ガムによる咀嚼能率および上下顎切歯間の開口度の測定を併せて行った. 患者群の咬合力, 咬合接触面積および咀嚼能率は, 術後に増加する傾向を示すものの, 術後2年以上経過した症例でも健常人と比べて低下していた. しかし,...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 2001, Vol.11 (2), p.116-117 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 顎変形症患者の治療目標は, 顎顔面の形態, 機能の改善である. 今回は, 下顎枝矢状分割法を行った骨格性下顎前突症患者の術前, 術後の顎機能の変化について健常人と比較検討した. 対象は骨格性下顎前突症患者で, 初診, 手術直前, 術後3カ月, 1年, 2年以上とし, 横断的調査を行った. 機能評価は, オクルーザルプレスケールによる平均圧力, 咬合力, 咬合接触面積と低粘着性発色ガムによる咀嚼能率および上下顎切歯間の開口度の測定を併せて行った. 患者群の咬合力, 咬合接触面積および咀嚼能率は, 術後に増加する傾向を示すものの, 術後2年以上経過した症例でも健常人と比べて低下していた. しかし, 平均圧力は両群に差はみられなかった. 健常人, 患者の両群で咬合力と咬合接触面積に正の相関がみられたが, 咀嚼能率と咬合力あるいは咬合接触面積の間に相関はなかった. 咬合力の向上は咬合接触面積の増加に依存するものの, 咀嚼能率の向上は, 咬合力や咬合接触面積の増加のみではなかった. 術後の開口度の改善は, 咬合力や咀嚼能率の変化よりも早期になされた. さらに, 術後の開口度の変化と咬合力, 咀嚼能率の変化間には相関はみられなかった. したがって, 顎矯正手術後, 変形症患者の咀嚼機能の向上は顎骨の移動や咬合の改善のみでは不十分であり, 舌, 咀嚼筋などの周囲の軟組織との調和および積極的なリハビリテーションの重要性が示唆された. 質問 北海道大, 口腔機能 佐藤嘉晃 術後の月数で検討を行っておられますが, 咬合については, 術後矯正治療をいつ終えたかが重要と思われます. 今回の症例はどの時期間位に術後矯正を終えておられますか. 回答 昭和大, 歯, 2口外 岩瀬正泰 術後, 歯科矯正治療に於ける動的移動と今回の結果への関与については不明である. しかし, 緊密な咬合が咀嚼能率の向上に必要であるが, 十分とはいえないと考える. |
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ISSN: | 0916-7048 |