1-C-14.われわれが行っている術前における上下顎骨の位置決め

顎変形症の手術によって構築される上下顎骨の位置は初診時の検査で決定することは困難で, 最終的な顎骨の位置決めは手術直前に行われる各科担当医の協議において決定される. その際, 患者の顔貌, 歯列模型, セファログラムや3D, CTなどが手術法や予後の予測に有用な判断資料となる. とくに, 模型診断は治療の進行状態, 手術時の咬合状態, 予後の安定性を含め, 咬合状態を検討するために不可欠なものである. われわれは, 第38回近畿東海矯正歯科学会にて, 模型診断において下顎骨後退術における下顎骨の位置決めを行う方法を報告した. その後, 装置の構成に改良を加え, 上顎骨の前後左右垂直高差の是正や...

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Veröffentlicht in:日本顎変形症学会雑誌 1999, Vol.9 (2), p.134-135
Hauptverfasser: 谷田耕造, 不破祐司, 岩田敏男, 北河秀規, 黒澤昌弘, 後藤滋巳, 金子通生, 吉田憲司, 栗田賢一, 向井陽, 長尾徹, 河合幹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎変形症の手術によって構築される上下顎骨の位置は初診時の検査で決定することは困難で, 最終的な顎骨の位置決めは手術直前に行われる各科担当医の協議において決定される. その際, 患者の顔貌, 歯列模型, セファログラムや3D, CTなどが手術法や予後の予測に有用な判断資料となる. とくに, 模型診断は治療の進行状態, 手術時の咬合状態, 予後の安定性を含め, 咬合状態を検討するために不可欠なものである. われわれは, 第38回近畿東海矯正歯科学会にて, 模型診断において下顎骨後退術における下顎骨の位置決めを行う方法を報告した. その後, 装置の構成に改良を加え, 上顎骨の前後左右垂直高差の是正や回転などの移動に対しても位置決めが行える装置を試作した. その概要を上下顎同時移動術を行った症例とともに報告する. 【本装置の目的】1. 咬合平面の三次元的把握2. 必要とされる顎骨の移動方向量の決定【構成】SAM3咬合器, 歯列模型移動用装置アナトミカルフェイスボー, 人中およびオトガイ標記針【結果】アナトミカルフエイスボーと本装置の使用により咬合器上で上下顎歯列が三次元的に再現され術後の状態の把握が容易となった. また, 煩雑な技工操作を必要としないため, 極めて簡便な方法であると思われる. 「質問」東京歯大2口外 鶴木隆 変形が軽度のものはともかく, 高度な症例では咬合器を顎顔面骨のsimulatorとしてどの程度使えるのかという問題があります. 特に正中線より左右下顎頭問距離に差のある症例では特に問題があります. 先生の今回の経験例の問題点ないし限界について御教示下さい. 「回答」愛知学院大歯矯正 谷田耕造 上顎骨の左右偏位は4~5mm, 下顎の左右偏位は9mmまでは顔面正中とほぼ一致させることができます.
ISSN:0916-7048