骨格性下顎前突症患者における機能分析評価について(その2)
顎変形症患者は形態的な異常だけではなく, 機能的な異常も合わせもっていることが多い. そこで, われわれは骨格性下顎前突症患者の顎顔面形態と顎運動および咀嚼筋活動との関連性について検討した. 〔方法〕本研究は大阪歯科大学附属病院に来院し, 外科的矯正治療が必要とされた骨格性下顎前突症患者のうち, 著しい側方偏位のあるものを除いた15名を対象とした. 顎顔面の形態を頭部X線規格写真から垂直, 水平成分に分けた. 顎運動と咀嚼筋活動をマイオトロニクス社製K6-iダイアグノスティックシステムを用い, 以下の項目について測定した. 1)最大開口量, 安静空隙量, 開閉口運動速度 2)最大かみしめ時,...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1994, Vol.4 (2), p.249-249 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 顎変形症患者は形態的な異常だけではなく, 機能的な異常も合わせもっていることが多い. そこで, われわれは骨格性下顎前突症患者の顎顔面形態と顎運動および咀嚼筋活動との関連性について検討した. 〔方法〕本研究は大阪歯科大学附属病院に来院し, 外科的矯正治療が必要とされた骨格性下顎前突症患者のうち, 著しい側方偏位のあるものを除いた15名を対象とした. 顎顔面の形態を頭部X線規格写真から垂直, 水平成分に分けた. 顎運動と咀嚼筋活動をマイオトロニクス社製K6-iダイアグノスティックシステムを用い, 以下の項目について測定した. 1)最大開口量, 安静空隙量, 開閉口運動速度 2)最大かみしめ時, ガムチューイング時における咬筋, 側頭筋の活動電位量〔結果, 考察〕1)安静空隙量, 開閉口運動速度は, 骨格性III級傾向が大きくなるほど増加する傾向が認められた. 最大開口量においては上記の傾向がみとめられなかった. これは下顎骨体部の長さが, 喋番運動に近い領域で運動量に影響すると考えられた. 2)咀嚼筋活動はopen-bite傾向が大きいほど, ガムチューイング時に咬筋の活動は低下し, 側頭筋の活動が優勢になることがわかった. とくにガムが柔かい際にその傾向は著明であった. 顎顔面の垂直成分の増加にともない咬筋の働きは低下すると報告されており, 今回対象とした骨格性下顎前突症という限られた集団の中でも, その傾向があることが示唆された. |
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ISSN: | 0916-7048 |