B-31. 顎変形症患者の術後の咀嚼機能と習慣について
外科的顎矯正治療による咀嚼機能, 咀嚼習慣, 全身的健康の変化を術後の期間別に観察したので, その結果を報告した. 観察対象:1989年4月から1992年5月の期間に, 当科で顎変形症の手術を受け, かつ経時的な術後観察が可能であった10名(男性6名, 女性4名)である. 観察症例は下顎前突症7例, 下顎非対称2例, 下顎後退症1例である. 観察方法:咀嚼能力はATP吸光度法により測定した. 咀嚼回数は自己申告により評価した. 咀嚼習慣は当科で作成した『咀嚼様式検査表』を用いて咀嚼様式評価図により観察した. 観察時期:術前, 術後3か月, 6か月, 1年である. 結果:咀嚼能力は, ほとんどの...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1993, Vol.3 (2), p.220-220 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 外科的顎矯正治療による咀嚼機能, 咀嚼習慣, 全身的健康の変化を術後の期間別に観察したので, その結果を報告した. 観察対象:1989年4月から1992年5月の期間に, 当科で顎変形症の手術を受け, かつ経時的な術後観察が可能であった10名(男性6名, 女性4名)である. 観察症例は下顎前突症7例, 下顎非対称2例, 下顎後退症1例である. 観察方法:咀嚼能力はATP吸光度法により測定した. 咀嚼回数は自己申告により評価した. 咀嚼習慣は当科で作成した『咀嚼様式検査表』を用いて咀嚼様式評価図により観察した. 観察時期:術前, 術後3か月, 6か月, 1年である. 結果:咀嚼能力は, ほとんどの症例で上昇がみられ, その上昇率の平均は術後6か月が170%, 術後1年が276%であった. 咀嚼回数は, 術後3か月まではあまり変化ないが, 術後6か月および術後1年では増加がみられた. 咀嚼様式評価図による術前と術後1年の経過観察では, 4つのパターンに大別された. すなわち, I:咀嚼様式, 食事様式, 全身的健康の全てに改善がみられるもの, II:咀嚼様式と食事様式に改善がみられ, 全身的健康が不変のもの, III:咀嚼様式と食事様式が不変, 全身的健康が改善したもの, IV:咀嚼様式, 食事様式, 全身的健康の全てが不変のものである. その内訳はI型3例, II型3例, III型1例, IV型3例であった. 質問 愛学大, 歯, 1口外 稲本浩 新しい咬合関係に慣れないで, 咬合能力が上っているであろうにもかかわらず, 咬合しやすくなったとうまく表現出来なかった症例はあったでしょうか. 回答 福岡大, 医, 歯口外 福田仁一 ATP吸光度法にて上昇が認められたにもかかわらず, 患者の自覚としてよく噛めていると思っていない症例もあります. それについては今後, 症例数を増して考察したいと思っています. |
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ISSN: | 0916-7048 |