B-20.骨格性下顎前突症の下顎縫合部の形態変化について
顎変形症患者に多くみられる骨格性下顎前突症患者の下顎symphysisの形態について検討した. 方法:資料は鶴見大学歯学部附属病院矯正科において骨格性下顎前突症と診断された90症例(若年者群(Y)35例, 成人矯正群(A)23例, 成人外科矯正群(S)32例)を研究対象とし, 術前の側貌セファログラムにて計測を行った. 計測は, 下顎下縁平面を基準平面としMentonを基準点としてsymphysis全体, 基底骨, 歯槽骨及び下顎前歯について角度的, 線量的測計を行った. またAHB角の計測を行った. 結果:角度的計測(1)下顎下縁平面に対しsymphysisは(Y)→(A)→(S)の順で舌側...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.186-186 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 顎変形症患者に多くみられる骨格性下顎前突症患者の下顎symphysisの形態について検討した. 方法:資料は鶴見大学歯学部附属病院矯正科において骨格性下顎前突症と診断された90症例(若年者群(Y)35例, 成人矯正群(A)23例, 成人外科矯正群(S)32例)を研究対象とし, 術前の側貌セファログラムにて計測を行った. 計測は, 下顎下縁平面を基準平面としMentonを基準点としてsymphysis全体, 基底骨, 歯槽骨及び下顎前歯について角度的, 線量的測計を行った. またAHB角の計測を行った. 結果:角度的計測(1)下顎下縁平面に対しsymphysisは(Y)→(A)→(S)の順で舌側傾斜を示した. 特に(S)のそれは顕著な舌側傾斜を示した. (2)基底骨の傾斜においても(Y)→(A)→(S)の順で舌側傾斜を示した. 線量的計測(3)Point Bの下顎下縁平面に対する前後的位置関係では(Y)→(A)→(S)の順に舌側に位置していた. (4)Point B部厚径は(Y)→(A)→(S)の順に減少傾向を示し, 特に(S)において顕著な減少がみられた. (5)Pogonion部厚径では, (Y)と(A)(S)間において僅かな増加がみられた. (6)ANB角とsymphysisの傾斜の間にも有意の相関が認められた. 以上から, 骨格性下顎前突症の下顎symphysisは経年的に徐々に舌側に傾斜する傾向を示すものと思われる. また, この傾向は上下顎関係との関連性のあることが示唆され, 顎関係の不正に対しsymphysisが対応するというsymphysial compensationが働くのではないかと考えられる. 質問 新大, 歯, 矯正 山田一尋 1. 骨格性下顎前突症患者の選択基準について. 2. 正常咬合者の下顎縫合部の形態変化と比較した場合の違いについて. 回答 鶴見大, 歯, 矯正 関谷利子 1. 上下顎の前後的形態異常を示す症例で, 機能的な要因のないものを骨格的下顎前突とした. 2. 正常咬合者との比較は行っていませんが, 今後検討したいと思っております. |
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ISSN: | 0916-7048 |