B-19.下顎前突症患者の身体症状 その6 脊柱状態の術前,術後の変化
わたくし達は, これまでに下顎前突症患者における咬合と姿勢との関連について研究し, 第9回顎変形症研究会において, 手術適応の下顎前突症の術後患者群に姿勢異常の出現率が少ないこと, および肩こり, 腰痛の改善傾向が認められることを報告した. そこで今回は同一患者における下顎前突症手術前後の姿勢変化をとくに脊柱状態について検索し, 興味ある所見を得たので報告する. 対象:手術適応の顎変形症患者19名(男子10名, 女子9名). 検診方法;検診は術前矯正前, 平均術後10カ月(6カ月以上1年未満)に前演題同様脊柱状態の評価を行った. 結果:背面傾斜角, 背面傾斜高ともに, 84%の患者が, 脊柱側...
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Veröffentlicht in: | 日本顎変形症学会雑誌 1991, Vol.1 (1), p.185-186 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | わたくし達は, これまでに下顎前突症患者における咬合と姿勢との関連について研究し, 第9回顎変形症研究会において, 手術適応の下顎前突症の術後患者群に姿勢異常の出現率が少ないこと, および肩こり, 腰痛の改善傾向が認められることを報告した. そこで今回は同一患者における下顎前突症手術前後の姿勢変化をとくに脊柱状態について検索し, 興味ある所見を得たので報告する. 対象:手術適応の顎変形症患者19名(男子10名, 女子9名). 検診方法;検診は術前矯正前, 平均術後10カ月(6カ月以上1年未満)に前演題同様脊柱状態の評価を行った. 結果:背面傾斜角, 背面傾斜高ともに, 84%の患者が, 脊柱側面観では50%が術後に改善がみられた. 背面形態の変化では, グループに変化があった者が15.8%であった. また, 患者本人に姿勢の変化の問診を行ったところ, 姿勢の悪さを術前に自覚または他覚した患者が, 術後にその訴えをなくしたものが, 66.7%認められた. 今回の検索で手術適応となる下顎前突症患者に多く認められる姿勢異常は, 外科的矯正術後に改善を示すことが示唆された. このことより, 咬合状態と姿勢との関連が明かとなった. 質問 大歯大, 1口外 覚道健治 術後の脊柱彎曲の改善の要因については咬合の変化とともに, 心理的因子(劣等感の改善)も重要な要因と考えますが, いかがでしょうか. 回答 愛院大, 歯, 1口外 深谷昌彦 脊柱側面観からみた術直後の形態は, ご指摘の通り心理的側面を否定できません. しかし背面傾斜角からの評価は術後の咬合改善に由来すると推測して良いのではないかと考えております. 回答 愛院大, 歯, 1口外 磯部誠 咬合不全と脊柱側彎との関係については, 先生の御指摘通り, 筋による影響, 心理的な面です. 質問 日歯大, 口外 熊澤康雄 術後, 脊柱の状態の改善により顎位が変化するような症例はみられたでしょうか. 回答 愛院大, 歯, 1口外 磯部誠 術直後, 術後6カ月経過時点での顎位の変化と姿勢の変化については, 自然頭位と姿勢の計測の問題を含め, 今後検討していくつもりです. |
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ISSN: | 0916-7048 |