多発性脳梗塞で発症しランダム皮膚生検で診断した血管内大細胞型B 細胞リンパ腫の1 例
要旨:症例は63 歳男性.浮遊感で受診し,MRI で急性期多発性脳梗塞を認め治療が開始されたが,尿閉,左片麻痺,意識障害が出現し1 カ月後に転院となった.顔面を含む左片麻痺を認め,MRI では拡散強調画像とFLAIR 画像で左小脳脚,両側大脳深部白質に多発性の高信号病変を認め,左小脳脚と橋の内部,右大脳のくも膜にガドリニウム増強効果を認めた.頸髄髄内にも病変を認めたが,脳MRA では血管狭窄や閉塞は認めなかった.血液検査でLDH と可溶性IL-2 レセプターの上昇を認め,ランダム皮膚生検にて血管内に増殖する腫瘍細胞を認め,血管内大細胞型B 細胞性リンパ腫の診断を得た.化学療法R-CHOP とh...
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Veröffentlicht in: | 脳卒中 2016, Vol.38(1), pp.38-42 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:症例は63 歳男性.浮遊感で受診し,MRI で急性期多発性脳梗塞を認め治療が開始されたが,尿閉,左片麻痺,意識障害が出現し1 カ月後に転院となった.顔面を含む左片麻痺を認め,MRI では拡散強調画像とFLAIR 画像で左小脳脚,両側大脳深部白質に多発性の高信号病変を認め,左小脳脚と橋の内部,右大脳のくも膜にガドリニウム増強効果を認めた.頸髄髄内にも病変を認めたが,脳MRA では血管狭窄や閉塞は認めなかった.血液検査でLDH と可溶性IL-2 レセプターの上昇を認め,ランダム皮膚生検にて血管内に増殖する腫瘍細胞を認め,血管内大細胞型B 細胞性リンパ腫の診断を得た.化学療法R-CHOP とhigh dose MTX 療法により寛解状態になった.本疾患では小血管内腔内で選択的に増殖するため,進行性の多発性脳梗塞および脊髄病変を有する症例では本疾患を念頭におく必要があり,ランダム皮膚生検も速やかに実地すべきである. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.10323 |