ラット結腸がんモデルにおける小麦フスマ摂取による遠位結腸の酪酸濃度変化と腫瘍発生率の減少

食物繊維の結腸内での生理機能と結腸がん抑制のしくみについて調査を行った. ラット結腸がんモデルを用い, 2種類の食物繊維摂取群(小麦フスマ, エン麦フスマ)を設定し, それぞれの群に結腸特異的発がん物質または, 塩類をコントロールとして注射した. 腫瘍の観察とともに, 糞便の短鎖脂肪酸濃度の測定により, 結腸内酪酸濃度, pH, 糞便量の腫瘍発生率への影響を調べた. エン麦フスマ摂取群では体重の増加, 酪酸を含むすべての短鎖脂肪酸の増加, pHの低下が見られたが, 腫瘍もかなり発達していた. 一方, 小麦フスマ摂取群ではプロピオン酸に比べて酪酸濃度がより高く, また, エン麦フスマ摂取群より糞...

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Veröffentlicht in:腸内細菌学雑誌 1999, Vol.12 (2), p.126-126
Hauptverfasser: Zoran DL, Turner ND, Taddeo SS, Chapkin RS, Lupton JR
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:食物繊維の結腸内での生理機能と結腸がん抑制のしくみについて調査を行った. ラット結腸がんモデルを用い, 2種類の食物繊維摂取群(小麦フスマ, エン麦フスマ)を設定し, それぞれの群に結腸特異的発がん物質または, 塩類をコントロールとして注射した. 腫瘍の観察とともに, 糞便の短鎖脂肪酸濃度の測定により, 結腸内酪酸濃度, pH, 糞便量の腫瘍発生率への影響を調べた. エン麦フスマ摂取群では体重の増加, 酪酸を含むすべての短鎖脂肪酸の増加, pHの低下が見られたが, 腫瘍もかなり発達していた. 一方, 小麦フスマ摂取群ではプロピオン酸に比べて酪酸濃度がより高く, また, エン麦フスマ摂取群より糞便量が多かった. 本実験により, pHの低下そのものに腫瘍発達の抑制効果がないことが明らかになるとともに, 小麦フスマの結腸がん発達の抑制効果が得られた. 更に, エン麦フスマ摂取群の結果より, 酪酸濃度のみの増加は腫瘍発達を抑制しないことがわかった.
ISSN:1343-0882