塩酸ジルチアゼムのポリ塩化ビニル製容器あるいは輸液セット中での含量低下: 加水分解と収着

塩酸ジルチアゼムはベンゾチアゼピン誘導体のカルシウム拮抗剤であり, 抗狭心症作用, 抗不整脈作用, 脳冠血流増加作用ならびに血圧降下作用を有する, 1-3). 注射液は臨床において高血圧性緊急症および手術時の異常高血圧の救急処置として点滴静注されている4-5). 硝酸イソソルビド6)やベンゾジアゼピン系薬物7-8)など種々の医薬品が点滴静注中にポリ塩化ビニル(PVC)製の輸液容器や輸液セットに収着され含量低下を起こすことが報告されている. 塩酸ジルチアゼム注射液についても輸液容器や輸液セット中で含量低下を起こすことが懸念される. さらに, 塩酸ジルチアゼムは水溶液中で加水分解され, 脱アセチル...

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Veröffentlicht in:病院薬学 1994/12/20, Vol.20(6), pp.537-541
Hauptverfasser: 河野, 健治, 松永, 昭, 寺田, 公紀, 中島, 新一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:塩酸ジルチアゼムはベンゾチアゼピン誘導体のカルシウム拮抗剤であり, 抗狭心症作用, 抗不整脈作用, 脳冠血流増加作用ならびに血圧降下作用を有する, 1-3). 注射液は臨床において高血圧性緊急症および手術時の異常高血圧の救急処置として点滴静注されている4-5). 硝酸イソソルビド6)やベンゾジアゼピン系薬物7-8)など種々の医薬品が点滴静注中にポリ塩化ビニル(PVC)製の輸液容器や輸液セットに収着され含量低下を起こすことが報告されている. 塩酸ジルチアゼム注射液についても輸液容器や輸液セット中で含量低下を起こすことが懸念される. さらに, 塩酸ジルチアゼムは水溶液中で加水分解され, 脱アセチル体が生成することが知られている(Chart1)9). 本研究では, 注射液の滴下中の安定性およびPVC製容器や輸液セット中での含量低下について検討したので報告する. 実験の部 1. 試料 塩酸ジルチアゼム注射液はヘルベッサー注射用10(塩酸ジルチアゼム10mg/A, 田辺製薬)を使用した.
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.20.537