1 頚静脈弓の側副血行路を合併した2症例

症例1は65歳女性. 急性心筋梗塞のため当院に入院. 駆出率30%未満の低心機能症例で, 入院中に持続性心室頻拍を合併していたため, ICD植え込み術を施行した. 術前の血管造影では右無名静脈が閉塞していた. しかし側副血行路が発達しており, 頚静脈弓を介した心室リードの挿入に成功した. 術後のリードトラブルもなく, 経過は良好であった. 症例2は78歳男性. 大動脈弁置換術後に発作性心房細動を発症し, 根治目的でカテーテルアブレーションを施行. 冠静脈用カテーテルの操作に難渋し, 血管造影を行ったところ, カテーテルの頚静脈弓への迷入及び同部位からの静脈解離が認められた. 血行動態は安定して...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2010, Vol.58 (4), p.179-179
Hauptverfasser: 島田健太郎, 竹内崇博, 相澤万象, 川上徹, 富田威
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例1は65歳女性. 急性心筋梗塞のため当院に入院. 駆出率30%未満の低心機能症例で, 入院中に持続性心室頻拍を合併していたため, ICD植え込み術を施行した. 術前の血管造影では右無名静脈が閉塞していた. しかし側副血行路が発達しており, 頚静脈弓を介した心室リードの挿入に成功した. 術後のリードトラブルもなく, 経過は良好であった. 症例2は78歳男性. 大動脈弁置換術後に発作性心房細動を発症し, 根治目的でカテーテルアブレーションを施行. 冠静脈用カテーテルの操作に難渋し, 血管造影を行ったところ, カテーテルの頚静脈弓への迷入及び同部位からの静脈解離が認められた. 血行動態は安定していたため, 引き続きEPSを評価. 心内興奮の伝播様式より, 左房起源と診断した. Brockenbrough法は行わない方針であったため, 以上で手技を終了. 数日間経過を観察したが, 静脈解離は自然軽快していた. 頚静脈弓を介した側副血行路を経験することは稀である. 最近, 当院にて2症例を経験したので報告する.
ISSN:0037-3826