2 NST介入によって栄養状態が改善したKwashiorkorの1症例
【はじめに】Kwashiorkor(クワシオコール)は, 蛋白質の量的・質的摂取不足による, 浮腫, 低アルブミン血症, 脂肪肝を特徴とする栄養障害である. 今回, 重度アレルギー体質による過度の食事制限が原因と考えられるクワシオコールに対して, NSTの介入が効果的であった症例を経験したので報告する. 【症例】39歳女性. 【入院時所見】BH 158cm, BW 33.6kg, BMI 13.5, UBW 50kg, ALB 1.3g/dl, TC 99mg/dl, IgE 52,000IU/l【経過】幼少期よりアトピー性皮膚炎あり. 過度の食事制限により2006年7月他病院へ低栄養にて入院...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2007, Vol.55 (6), p.387-388 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【はじめに】Kwashiorkor(クワシオコール)は, 蛋白質の量的・質的摂取不足による, 浮腫, 低アルブミン血症, 脂肪肝を特徴とする栄養障害である. 今回, 重度アレルギー体質による過度の食事制限が原因と考えられるクワシオコールに対して, NSTの介入が効果的であった症例を経験したので報告する. 【症例】39歳女性. 【入院時所見】BH 158cm, BW 33.6kg, BMI 13.5, UBW 50kg, ALB 1.3g/dl, TC 99mg/dl, IgE 52,000IU/l【経過】幼少期よりアトピー性皮膚炎あり. 過度の食事制限により2006年7月他病院へ低栄養にて入院, 9月当院に紹介. 入院翌日より部署NST, さらに入院3日目から中央NSTが介入した. 極度の低アルブミン血症, 仙骨部褥瘡, 自立歩行不能, 低栄養性脂肪肝, さらにアトピーによる白内障と網膜剥離による弱視があった. アレルギー検査結果と本人への聞き取りから摂取可能な食品を選定し, 病棟スタッフとの連携のもと栄養管理を行った. 当初は極度の低栄養にあったために経静脈栄養から開始しRefeeding症候群に注意しながら緩やかなカロリーアップを図った. アレルギー対応とハーフ食, 栄養剤を組み合わせた食事療法によって, 徐々に食事量が増加し, 1カ月後に必要量まで摂取可能となった. 栄養状態は順調に改善し3カ月後の退院時にはALB 3.1g/dl, 体重49.5kgまで増加した. 【結果】患者の食物アレルギー, 嗜好, 食欲を考慮した食事調整によって, 3カ月後には体重16kg増加, 脂肪肝, 褥瘡も改善し経過良好にて退院した. 担当医師, 病棟看護師とNSTが連携し治療を行うことで, 栄養改善できた症例と考えられる. |
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ISSN: | 0037-3826 |