Crucial Roles of Mesodermal Cell Lineages in a Murine Embryonic Stem Cell Derived In Vitro Liver Organogenesis System(マウスES細胞由来in vitro肝器官形成システムにおける中胚葉系細胞の役割)
【背景および目的】ES細胞(embryonic stem cells)はマウス初期胚の未分化な細胞から樹立された細胞株であり, LIF(leukemia inhibitory factor)を添加した培養条件下で未分化状態を維持し, 培養条件を検討することにより様々な細胞種への分化誘導が可能であると考えられている. 肝臓は発生学的に前腸由来の内胚葉臓器であり, 様々な増殖因子やサイトカイン及びホルモンの刺激を受けて臓器形成がなされる. 特に中胚葉由来の心筋前駆細胞から分泌されるFGF(Fibroblast growth factor)などの増殖因子の刺激が肝形成には重要であると考えられている....
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2006, Vol.54 (5), p.293-295 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【背景および目的】ES細胞(embryonic stem cells)はマウス初期胚の未分化な細胞から樹立された細胞株であり, LIF(leukemia inhibitory factor)を添加した培養条件下で未分化状態を維持し, 培養条件を検討することにより様々な細胞種への分化誘導が可能であると考えられている. 肝臓は発生学的に前腸由来の内胚葉臓器であり, 様々な増殖因子やサイトカイン及びホルモンの刺激を受けて臓器形成がなされる. 特に中胚葉由来の心筋前駆細胞から分泌されるFGF(Fibroblast growth factor)などの増殖因子の刺激が肝形成には重要であると考えられている. 近年ES細胞の万能性を利用して再生医療への応用が検討されており, ES細胞由来肝細胞への分化誘導の成功例も報告されている. しかしながらこれらの報告では, 分化した単一の細胞種(肝細胞)への検討に言及されており, 肝細胞への分化過程における, 内胚葉以外の細胞種の役割についての検討はなされていない. 今回我々はマウスES細胞を用いて胚様体を介する肝細胞への分化誘導系の樹立に成功し, またこの系における中胚葉由来細胞種, 特に肝発生に重要であると考えられている, 心筋細胞及び血管内皮細胞のin vitro下における肝分化の役割について検討した. |
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ISSN: | 0037-3826 |