九州歯科大学教員による本学卒業生・大学院修了生の資質,学力の教育成果に関するアンケート調査

本学では教育改善が進められており,教育成果の検証には学生の視点のみならず教員の視点からの調査も必要である.そこで,本研究では教員を対象として,教員が評価する本学卒業生・大学院修了生の資質(教養,社会的常識,責任感・倫理観,自主性・行動力,問題処理能力,態度),学力(外国語,基礎知識,隣接医学,臨床専門知識,臨床技能)および大学教育の満足度に関するアンケート調査(5段階評価)を,平成18,20,22年度に行った.アンケート調査の結果,資質においては社会的常識,責任感・倫理観,自主性・行動力において,平成18年度から 20年度にかけて高評価群(5,4)の大幅な増加が認められた.学力においては,臨床...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 2013, Vol.67(2), pp.40-48
1. Verfasser: 豊野, 孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本学では教育改善が進められており,教育成果の検証には学生の視点のみならず教員の視点からの調査も必要である.そこで,本研究では教員を対象として,教員が評価する本学卒業生・大学院修了生の資質(教養,社会的常識,責任感・倫理観,自主性・行動力,問題処理能力,態度),学力(外国語,基礎知識,隣接医学,臨床専門知識,臨床技能)および大学教育の満足度に関するアンケート調査(5段階評価)を,平成18,20,22年度に行った.アンケート調査の結果,資質においては社会的常識,責任感・倫理観,自主性・行動力において,平成18年度から 20年度にかけて高評価群(5,4)の大幅な増加が認められた.学力においては,臨床専門知識および臨床技能に関して平成18年度から22年度にかけて低評価群(2,1)の減少が認められた.さらに,臨床技能に関しては,平成18年度から22年度にかけて高評価群(5,4)の増加が認められた.次に平成18年度および22年度間の各項目の平均値(5点満点)を比較したところ,資質においては問題処理能力以外の全ての項目の平均値の増加が認められた.その中において責任感・倫理観では2.99から3.46に,社会的常識では 2.91から3.37へと,それぞれ0.47および0.46もの高い上昇が認められた.一方,学力の項目に関しては,隣接医学以外は有意な平均値の増減が認められなかった.大学教育の満足度に関しては平均値の増加が認められた.今後は,資質における問題処理能力,および学力における各項目で平均値の増加が認められなかった原因の検証を行い,それらの点に関して教育改善に取り組む必要があると考えられた.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.67.40