当院における成人用転倒・転落アセスメントシートの妥当性についての検討

転倒・転落予防のための病院の注意義務については厳しいものが求められており、入院時に転倒・転落の危険度を予測し、それに基づく説明・対応を行うことが一般的になっている。北海道大学病院でも「転倒・転落アセスメントシート」を用いているが、その有効性などについての検証は行われていない。また、入院時における書類や手続きの増加により、アセスメント自体が看護師の負担にもなっている。そこで、当院で用いられているアセスメントシートの妥当性を検討した。2009年度に当院の脳神経外科・神経内科病棟に入院した成人患者532名を対象とした。転倒・転落の発生率は7.5%(40件)であり、I:2.7%、II:5.3%、III...

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Veröffentlicht in:日本医療マネジメント学会雑誌 2013/05/01, Vol.14(1), pp.31-36
Hauptverfasser: 南須原, 康行, 佐久嶋, 研, 伊藤, 陽一, 奥原, 芳子, 渋谷, かをり, 石川, 誠, 宝金, 清博
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:転倒・転落予防のための病院の注意義務については厳しいものが求められており、入院時に転倒・転落の危険度を予測し、それに基づく説明・対応を行うことが一般的になっている。北海道大学病院でも「転倒・転落アセスメントシート」を用いているが、その有効性などについての検証は行われていない。また、入院時における書類や手続きの増加により、アセスメント自体が看護師の負担にもなっている。そこで、当院で用いられているアセスメントシートの妥当性を検討した。2009年度に当院の脳神経外科・神経内科病棟に入院した成人患者532名を対象とした。転倒・転落の発生率は7.5%(40件)であり、I:2.7%、II:5.3%、III:15.3%と危険度に応じて上昇していた。転倒・転落の有無の2群間で入院期間を考慮したCox単回帰モデルでは、感覚障害、認識力、性格については両群で有意差を認めなかった。また、年齢も有意差を認めなかった。入院期間を考慮したCox重回帰モデルの結果で有意に残ったのは、転倒の既往と薬剤使用の2項目であった。転倒の既往も薬剤使用のいずれも該当しない群、どちらか1項目のみ該当する群、両方とも該当する群の3群に分類すると、転倒・転落発生率は、現在使用している8項目に基づく危険度分類によるものとほぼ同等の結果であった。当院の成人用転倒・転落アセスメントシートは、転倒・転落の危険度の予測として概ね妥当であった。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm.14.31