9. 球麻痺で発症し, 筋萎縮性側索硬化症とパーキンソン病の合併が疑われた一例

【症例】死亡時82歳女性. 狭心症, 高血圧, 不整脈の既往あり. 家族歴なし. 2005年7月頃より, 汁物でむせるようになり, 会話や動作が遅くなったことを指摘された. 同年10月, 近医を受診し球麻痺の疑いで当院に紹介となった. 神経学的に, 軽度の認知症障害(MMSE22点), 単調で緩徐な発語. 舌の萎縮と線維束攣縮, 右上肢の歯車様固縮あり. 歩行は小歩. 反射は下顎と四肢で軽度亢進. 病的反射はなかった. 神経生理検査で舌を含めて神経原性変化を認めた. 脳画像では大脳白質にT2高信号域, SPECTでは前頭葉の集積低下, MIBG心筋シンチでは心筋集積の低下を認め, ALS+PD...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2010, Vol.60 (2), p.185-186
Hauptverfasser: 大原慎司, 腰原啓史, 小口賢哉, 武井洋一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】死亡時82歳女性. 狭心症, 高血圧, 不整脈の既往あり. 家族歴なし. 2005年7月頃より, 汁物でむせるようになり, 会話や動作が遅くなったことを指摘された. 同年10月, 近医を受診し球麻痺の疑いで当院に紹介となった. 神経学的に, 軽度の認知症障害(MMSE22点), 単調で緩徐な発語. 舌の萎縮と線維束攣縮, 右上肢の歯車様固縮あり. 歩行は小歩. 反射は下顎と四肢で軽度亢進. 病的反射はなかった. 神経生理検査で舌を含めて神経原性変化を認めた. 脳画像では大脳白質にT2高信号域, SPECTでは前頭葉の集積低下, MIBG心筋シンチでは心筋集積の低下を認め, ALS+PDと診断した. 抗パ剤の内服により, 歩行と会話速度に改善がみられた. 2006年1月に内服薬を自己中断して動作性の悪化あり, 悪性症候群として入院治療した. 2007年1月より転倒を繰り返す. 嚥下が困難となり7月より入院療養. 誤嚥性肺炎を反復. 意思の疎通は筆談となり, 次第に寝たきり状態となった.
ISSN:1343-2826