17. 不明熱, 汎血球減少, 肝腎機能障害を呈し, 診断に苦慮した回腸悪性リンパ腫再発の1例
【症例】76歳, 男性. 【主訴】発熱. 【既往歴】C型慢性肝炎・肝硬変, 心房細動, 肥大型心筋症, 甲状腺機能低下症. 【現病歴】平成12年にイレウスにて小腸切除術施行. 病理にて悪性リンパ腫(diffuse large B cell type)と診断. 術後CHOP療法を計10クール施行し緩解となり, 以後当院外科でfollowとなっていた. 平成19年9月, 腹部CTで傍大動脈, 肝門部, 左鎖骨上に10mm未満のリンパ節腫大あり. 11月1日頃より夜間発熱あり. 悪性リンパ腫再発の疑いにて血液内科受診となるも診断つかず, 不明熱の精査加療目的に11月9日当院内科に入院. 【入院経過】...
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Veröffentlicht in: | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2008, Vol.58 (2), p.275-276 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【症例】76歳, 男性. 【主訴】発熱. 【既往歴】C型慢性肝炎・肝硬変, 心房細動, 肥大型心筋症, 甲状腺機能低下症. 【現病歴】平成12年にイレウスにて小腸切除術施行. 病理にて悪性リンパ腫(diffuse large B cell type)と診断. 術後CHOP療法を計10クール施行し緩解となり, 以後当院外科でfollowとなっていた. 平成19年9月, 腹部CTで傍大動脈, 肝門部, 左鎖骨上に10mm未満のリンパ節腫大あり. 11月1日頃より夜間発熱あり. 悪性リンパ腫再発の疑いにて血液内科受診となるも診断つかず, 不明熱の精査加療目的に11月9日当院内科に入院. 【入院経過】入院時, 汎血球減少, 肝腎機能障害認め, 可溶性IL-2R 7280と高値. 入院後, CTM 2g/day開始. 11月11日黒色便認め, 12日上部消化管内視鏡検査行うも明らかな病変なし. この間, 解熱傾向なく, 汎血球減少や肝腎機能障害が進行. 14日より診断的治療目的にCHOP療法を開始した. 全身状態悪かったため, CPA 375mg/m2, VCR 0.7mg/m2, PSL 70mg/body使用し, 肥大型心筋症の既往見られた為ADRは併用しなかった. 15日, 急性腹症発症. CT上消化管穿孔疑われ, 外科転科となり緊急手術となった. 小腸壁や腸間膜に腫瘤性病変を認め, 一部に穿孔あり, 穿孔部位を含めて回腸部分切除を施行. 術中細胞診にて悪性リンパ腫と診断された. 術後, 出血傾向認め, 貧血が進行. また, 鼻出血により気道閉塞きたし, 呼吸状態が悪化. このため, 人工呼吸管理下とし, 輸血を頻回に行うも全身状態は改善せず. 27日に死亡退院した. 【まとめ】7年間の寛解を経て小腸悪性リンパ腫の再発をきたした1例を経験した. 今回再発の早期診断が難しく, 診断的化学療法にて小腸穿孔を発症し, 緊急手術で確定診断となったが, 示唆に富む症例と思われ若干の文献的考察を加えここに報告する. |
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ISSN: | 1343-2826 |