3.当院NSTにおける半固形食の導入とその成果

【はじめに】当院は2003年5月に全科型でNSTが稼動し, 経腸栄養法を推進してきた. この間, 経腸栄養剤の投与による下痢や嘔吐などの消化器症状や, チューブトラブル等の合併症に対し, 半固形食を調整し良好な結果を得ている. 今回, 2年間に半固形食を投与した症例をまとめ評価したので報告する. 【方法】2003年7月から2005年8月までの2年間にPEGを施行した症例と, そのうち合併症の改善を目的として半固形食を投与した症例を調査した. また同期間中に寒天を使用して半固形化を行った症例と, 粘度調整剤を使用して半固形化を行った症例について, 投与ルート, 使用理由, 使用結果についてまとめ...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2006, Vol.56 (2), p.182-182
Hauptverfasser: 立川厚子, 大友 崇, 前島和俊, 伊東七奈子, 原嶋幸子, 金澤真実, 加藤潤子, 田中俊行, 小川哲史, 池谷俊郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【はじめに】当院は2003年5月に全科型でNSTが稼動し, 経腸栄養法を推進してきた. この間, 経腸栄養剤の投与による下痢や嘔吐などの消化器症状や, チューブトラブル等の合併症に対し, 半固形食を調整し良好な結果を得ている. 今回, 2年間に半固形食を投与した症例をまとめ評価したので報告する. 【方法】2003年7月から2005年8月までの2年間にPEGを施行した症例と, そのうち合併症の改善を目的として半固形食を投与した症例を調査した. また同期間中に寒天を使用して半固形化を行った症例と, 粘度調整剤を使用して半固形化を行った症例について, 投与ルート, 使用理由, 使用結果についてまとめた. 【結果】期問中, 当院で施行したPEGの症例数は109例で, そのうち半固形食を適応した症例は17例, 16%であった. 寒天を使用した症例は18例あり, 投与ルートはすべてPEGであった. 使用理由は下痢6例, 嘔吐5例, 誤嚥予防6例, その他6例であった. 粘度調整剤を使用した症例は16例あり, 投与ルートはPEG2例, PTEG1例, 経鼻13例であった. 使用理由は下痢12例, 嘔吐3例, 誤嚥予防3例, その他1例であった. 投与後の結果は30例, 88.2%で症状が改善し, 不変は4例, 11.8%であった. 使用理由別に改善例を集計すると, 下痢16例(88.9%), 嘔吐6例(75%), 誤嚥9例(100%), 自己抜去, 3例(100%), リーク2例(66.7%), 褥瘡1例(100%)であった. 【結語】経腸栄養剤の半固形化は, 下痢や嘔吐などの消化器合併症の改善や, 意識障害などによるチューブ抜去の予防, また誤嚥のリスクが高い患者への予防投与として有用であった.
ISSN:1343-2826