ホルモン補充療法による閉経後女性の動脈硬化,皮膚の弾力性及び骨密度への影響: 経皮エストラジオールと経口結合型エストロゲンとの比較

【背景と目的】 今回我々は, 経皮エストラジオール及び経口結合型エストロゲンが閉経後女性の脈波伝播速度, 皮膚弾力性及び骨密度に与える影響を比較検討した. 【対象と方法】 経皮エストラジオールを投与する群 (経皮群, 26例), 経口結合型エストロゲンを投与する群 (経口群, 17例), 希望によりHRTを行わない群 (コントロール群, 23例) の3群に分類し, 12ヵ月間行った. 試験開始前及び12カ月後に脈波伝播速度, 皮膚弾力性, 骨密度を測定した. 【結 果】 経口群及びコントロール群の脈波伝播速度は変化しなかったが, 経皮群の脈波伝播速度は有意に減少した (p<0.05). 皮膚弾...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2006, Vol.56(2), pp.119-127
Hauptverfasser: 角野, 博之, 市川, 秀一, 坂本, 浩之助, 村上, 正巳, 酒巻, 哲夫, 倉林, 正彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【背景と目的】 今回我々は, 経皮エストラジオール及び経口結合型エストロゲンが閉経後女性の脈波伝播速度, 皮膚弾力性及び骨密度に与える影響を比較検討した. 【対象と方法】 経皮エストラジオールを投与する群 (経皮群, 26例), 経口結合型エストロゲンを投与する群 (経口群, 17例), 希望によりHRTを行わない群 (コントロール群, 23例) の3群に分類し, 12ヵ月間行った. 試験開始前及び12カ月後に脈波伝播速度, 皮膚弾力性, 骨密度を測定した. 【結 果】 経口群及びコントロール群の脈波伝播速度は変化しなかったが, 経皮群の脈波伝播速度は有意に減少した (p<0.05). 皮膚弾力性及び骨密度は, 経皮群 (p<0.05, p<0.01), 経口群 (p<0.01, p<0.01) ともにそれぞれ有意に増加したが, コントロール群では皮膚弾力性は変化せず, 逆に骨密度は有意に減少した (p<0.01). 【結 語】 閉経後女性に対する経皮エストラジオールは経口結合型エストロゲンよりも心血管系に有益であり, 両治療とも皮膚の若返りや骨の強化に有効であると思われる.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.56.119