2. 黒毛和種子牛下痢症における病態と口腔内温度の関係

「はじめに」黒毛和種子牛の下痢症は原因, 病態とも多様であり, 個体に合わせた診療が必要とされ, これまでも病態の把握を目的とした様々なスコアリング化等の試みが行われている. その中で口腔内の温度低下は循環不全を示唆する臨床所見の1つと考えられている. しかし, その所見を治療に応用するには, 現在の分類基準は測定者の感覚的なものであることや, フィールドで口腔内が低下している子牛が実際にどのような病態であるのか不透明であるといった問題がある. そこで今回, 口腔内の温度を測定し, 下痢子牛の病態把握の一助とできるかどうか検討した. 「材料および方法」試験には生後2ヶ月以内の下痢を呈する黒毛和...

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Veröffentlicht in:日本家畜臨床学会誌 2007, Vol.30 (3), p.84-85
Hauptverfasser: 吉田裕貴, 佐々木弘志, 福田達也, 松田敬一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」黒毛和種子牛の下痢症は原因, 病態とも多様であり, 個体に合わせた診療が必要とされ, これまでも病態の把握を目的とした様々なスコアリング化等の試みが行われている. その中で口腔内の温度低下は循環不全を示唆する臨床所見の1つと考えられている. しかし, その所見を治療に応用するには, 現在の分類基準は測定者の感覚的なものであることや, フィールドで口腔内が低下している子牛が実際にどのような病態であるのか不透明であるといった問題がある. そこで今回, 口腔内の温度を測定し, 下痢子牛の病態把握の一助とできるかどうか検討した. 「材料および方法」試験には生後2ヶ月以内の下痢を呈する黒毛和種17頭を, 対照として5日齢から58日齢までの健康な子牛5頭を用いた. 口腔内の温度測定部位は, ヒトの基礎体温測定にも用いられている舌根腹側部とした. 各個体についてKasariの沈うつスコアを算出し, また頚静脈血を採取しポータブル血液診断装置(i-STAT300F, 扶桑薬品 使用カートリッジEC)を用いて血液ガス成分, 電解質測定を行った. あわせて血液生化学検査を実施し, その各項目について相関の有無を検討した.
ISSN:1346-8464