頸髄損傷が誘因となった偶発性低体温症の1 例
偶発性低体温症は,寒冷環境に暴露され深部体温が低下した状態であり,体温が低くなるほど死亡率が高いとされている.今回我々は,当初意識障害および高度低体温により救急搬送され,後に軽微な外力により頸髄損傷を合併していたことが判明した症例を経験したので報告する.症例は70歳代女性.意識障害および高度低体温により当院救急外来に搬送された.来院時直腸温26.2°Cと高度低体温であったため,直ちに復温処置を行った.復温に伴い意識レベルは改善したが,C5領域以下の麻痺および感覚低下を認めたため,頸髄損傷を疑いMRIを施行.C5頸髄損傷と診断した.偶発性低体温症による意識障害のため,頸髄損傷の神経学的所見がマス...
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Veröffentlicht in: | JOURNAL OF UOEH 2012/09/01, Vol.34(3), pp.259-264 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 偶発性低体温症は,寒冷環境に暴露され深部体温が低下した状態であり,体温が低くなるほど死亡率が高いとされている.今回我々は,当初意識障害および高度低体温により救急搬送され,後に軽微な外力により頸髄損傷を合併していたことが判明した症例を経験したので報告する.症例は70歳代女性.意識障害および高度低体温により当院救急外来に搬送された.来院時直腸温26.2°Cと高度低体温であったため,直ちに復温処置を行った.復温に伴い意識レベルは改善したが,C5領域以下の麻痺および感覚低下を認めたため,頸髄損傷を疑いMRIを施行.C5頸髄損傷と診断した.偶発性低体温症による意識障害のため,頸髄損傷の神経学的所見がマスクされていた可能性がある.偶発性低体温症の症例では誘因として,頸髄損傷の存在を念頭におき対応する必要がある. |
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ISSN: | 0387-821X 2187-2864 |
DOI: | 10.7888/juoeh.34.259 |