6. 医学生における「看護と介護」の演習の学び

目的:[看護と介護]における演習の学びを明らかにする. 方法:対象は, 本学医学生1年98名(男性66名, 女性32名). 研究方法は, 演習後に提出した課題レポート「演習体験を通して学んだこと」の記述内容中, 学びに関連した文章を抽出. 一文章中に, 異なる内容を表す記述があった場合は, 意味によって分割し, 抽出した文章の意味を解釈し, コード化した. コードを類似性によりサブカテゴリー, カテゴリー, 領域に分類した. 3名の研究者により分析, 検討を重ね, 質的研究の専門家にスーパーバイズを受け, 研究結果の信頼性を高めた. 演習の目的は「患者・障害者・援助者としての体験を実施し, 自...

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Veröffentlicht in:JOURNAL OF UOEH 2010-03, Vol.32 (1), p.103-103
Hauptverfasser: 正野逸子, 鷹居樹八子, 金澤保, 福沢雪子, 野元由美, 河内しのぶ, 小川みどり, 山本美江子, 諸富伸夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:[看護と介護]における演習の学びを明らかにする. 方法:対象は, 本学医学生1年98名(男性66名, 女性32名). 研究方法は, 演習後に提出した課題レポート「演習体験を通して学んだこと」の記述内容中, 学びに関連した文章を抽出. 一文章中に, 異なる内容を表す記述があった場合は, 意味によって分割し, 抽出した文章の意味を解釈し, コード化した. コードを類似性によりサブカテゴリー, カテゴリー, 領域に分類した. 3名の研究者により分析, 検討を重ね, 質的研究の専門家にスーパーバイズを受け, 研究結果の信頼性を高めた. 演習の目的は「患者・障害者・援助者としての体験を実施し, 自らの五感を活かして患者の思いに気づき, 自己の課題に活かす」とし, 演習内容は, 食事介助・車椅子体験・高齢者疑似体験のうちいずれか2つを体験した. その内容は, 患者・障害者役と介助者役割のデモンストレーション後に具体的介助内容の指導を受け, 各自実施することであった. 学生には, 授業科目の評価後に研究の趣旨, プライバシーの保護等を説明し, 承諾を得た. 結果:学生の学びの数は147(「 」で示す), 34のサブカテゴリー, 16カテゴリー, 5領域(【 】で示す)であった. 【患者の理解】(47), 【接し方の特性】(60), 【介護とは人としての最低限の生活の保障】(11), 【医療・介護は個性ある人としてともに歩むことによりQOLを目指す】(17), 【演習は将来の医師として価値ある学び】(14)であった. 考察:学生の学びは, 患者理解とその接し方は個別性, 自立を重視するがゆえに困難であること. しかし, 個人を尊重した介助は, QOLに繋がり, 人としての生活の最低保障であることを学んでいた. これらを基盤として, 医療や介護の質がQOLを変える力になること, 演習の学びは将来の医師像に大きな影響を与える学びであることが記述されており, 演習の目的を達成していた.
ISSN:0387-821X