フルオロキノロン系抗菌剤に対する耐性乳酸菌および酪酸菌製剤の感受性について

「緒言」抗菌剤は感染症治療には欠かせないが, 抗菌剤の投与により腹痛, 下痢・軟便等の消化器症状によりコンプライアンスの低下あるいは投与の中断を余儀なくされることもある. これは抗菌剤による腸内細菌叢の撹乱が一因とされているが, ときに重篤な偽膜性大腸炎を引き起こすこともある1,2). 抗菌剤による消化器症状の防止法のひとつとして, 抗菌剤に対する耐性を人為的に付与した耐性乳酸菌製剤を併用することが多い3,4). 耐性乳酸菌製剤は1970年代に開発され, ペニシリン系, セファロスポリン系, アミノグリコシド系, マクロライド系, テトラサイクリン系およびナリジクス酸投与時の腸内細菌叢の異常に...

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Veröffentlicht in:医療薬学 2008, Vol.34(1), pp.59-63
Hauptverfasser: 五郎丸, 剛, 佐々木, 智也, 藤井, 利加, 一木, 孝治, 高橋, 浩二郎, 福長, 将仁, 江藤, 精二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」抗菌剤は感染症治療には欠かせないが, 抗菌剤の投与により腹痛, 下痢・軟便等の消化器症状によりコンプライアンスの低下あるいは投与の中断を余儀なくされることもある. これは抗菌剤による腸内細菌叢の撹乱が一因とされているが, ときに重篤な偽膜性大腸炎を引き起こすこともある1,2). 抗菌剤による消化器症状の防止法のひとつとして, 抗菌剤に対する耐性を人為的に付与した耐性乳酸菌製剤を併用することが多い3,4). 耐性乳酸菌製剤は1970年代に開発され, ペニシリン系, セファロスポリン系, アミノグリコシド系, マクロライド系, テトラサイクリン系およびナリジクス酸投与時の腸内細菌叢の異常による諸症状に対する投与として添付文書上の適用となっている. その効果については多くの症例検討により一定の効果が認められている. しかしながら, 抗菌剤を投与していないにもかかわらず耐性乳酸菌製剤が処方されたり, 添付文書上の適用がない抗菌剤, 特にフルオロキノロン系抗菌剤(以下, FQsと略す)と耐性乳酸菌製剤が併用されることも多い.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.34.59