処方オーダリングシステムによる塩酸チクロピジンの適正使用の推進

緒言 塩酸チクロピジンは1981年に発売開始となり, その強力な血小板凝集抑制作用により血栓, 梗塞の治療ならびに血流改善の目的で臨床において繁用されている薬剤である. しかし, その重大な副作用として, 重篤な肝障害, 顆粒球減少症, 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が報告されており, この副作用を未然に防ぐために二度にわたり緊急安全性情報が出されている. 1999年6月に出された一度目の緊急安全性情報で, 投与開始2カ月間は原則2週に1回の検査とその後の定期的な検査が, また, 2002年7月に二度目に出された緊急安全性情報では, 投与開始2カ月間は原則1回2週間分の処方が義務付けられた...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療薬学 2004/03/10, Vol.30(3), pp.211-216
Hauptverfasser: 和田, 恭一, 服部, 雄司, 高田, 充隆, 柴川, 雅彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 塩酸チクロピジンは1981年に発売開始となり, その強力な血小板凝集抑制作用により血栓, 梗塞の治療ならびに血流改善の目的で臨床において繁用されている薬剤である. しかし, その重大な副作用として, 重篤な肝障害, 顆粒球減少症, 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)が報告されており, この副作用を未然に防ぐために二度にわたり緊急安全性情報が出されている. 1999年6月に出された一度目の緊急安全性情報で, 投与開始2カ月間は原則2週に1回の検査とその後の定期的な検査が, また, 2002年7月に二度目に出された緊急安全性情報では, 投与開始2カ月間は原則1回2週間分の処方が義務付けられた. これらは, いずれも投与初期に発生頻度が高い重大な副作用を早期に発見することを目的としたものである. 当センターでは, 処方オーダリングシステムを利用し, 緊急安全性情報の内容を医師に徹底させる目的で, 2002年7月の二度目の緊急安全性情報が出された際に, 塩酸チクロピジンの初回オーダ時に緊急安全性情報の内容をオーダ画面上に表示するように設定した(Fig. 1).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.30.211