6.山口大学医学部附属病院泌尿器科における腎移植の現況

同種腎移植は, 免疫抑制剤の進歩や合併症の検査, 治療法の開発に伴い, その臨床成績も向上してきた. 最近の症例を中心に, われわれの施設における腎移植の臨床統計を報告する. 山口大学医学部附属病院泌尿器科(以下当科)では, 1971年より2004年12月までに生体腎移植89例, 献腎移植27例の合計116例の腎移植を行なった. 1991年までの当科の腎移植の統計では, 移植腎生着率は生体腎移植症例で, 1年, 5年についてそれぞれ87.8%, 69.2%であったが, 最近30例の移植腎生着率は, それぞれ, 96.8%, 93.1%ときわめて良好な成績を示している. とくに, 最近30例では...

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Veröffentlicht in:山口医学 2006-02, Vol.55 (1), p.49-49
Hauptverfasser: 高井公雄, 土田昌弘, 北原誠司, 福田昌史, 赤尾淳平, 磯山直仁, 松村正文, 内山浩一, 内藤克輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:同種腎移植は, 免疫抑制剤の進歩や合併症の検査, 治療法の開発に伴い, その臨床成績も向上してきた. 最近の症例を中心に, われわれの施設における腎移植の臨床統計を報告する. 山口大学医学部附属病院泌尿器科(以下当科)では, 1971年より2004年12月までに生体腎移植89例, 献腎移植27例の合計116例の腎移植を行なった. 1991年までの当科の腎移植の統計では, 移植腎生着率は生体腎移植症例で, 1年, 5年についてそれぞれ87.8%, 69.2%であったが, 最近30例の移植腎生着率は, それぞれ, 96.8%, 93.1%ときわめて良好な成績を示している. とくに, 最近30例では, 輸血できない組み合わせであるABO不適合6例, 夫婦間移植11例, 50歳以上11例と困難な症例が増加しているにもかかわらず, 良好な成績をあげている. 慢性腎不全の治療法の中では, 腎移植が唯一の根治的治療法で, 生存率の最もよい治療法である. 腎移植は, その機会が得られる患者さんには積極的に勧めるべき治療法と考えられた.
ISSN:0513-1731