26. 医原性仮性動脈瘤に対する超音波下少量トロンビン注入の有用性
背景・目的:医原性仮性動脈瘤の発生率は冠動脈血管形成術, ステント置換術後では2%から8%程度, 血管造影検査後では0.2%から0.5%と報告されており, 抗凝固療法の利用や大径血管シースの利用により増加傾向にあるといわれている. 医原性仮性動脈瘤の従来からの治療法として外科的治療, 超音波ガイド下プローブ圧迫法等が行われている. 超音波下トロンビン注入療法は医原性仮性動脈瘤の治療成績がよく, 1980年代後半より多くの報告がされてきた. 今回我々は, 超音波下少量トロンビン注入による仮性動脈瘤の塞栓効果につき検討した4症例について報告する. 対象と方法:対象は, 2005年6月から2008年...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2010, Vol.125 (2), p.72-73 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景・目的:医原性仮性動脈瘤の発生率は冠動脈血管形成術, ステント置換術後では2%から8%程度, 血管造影検査後では0.2%から0.5%と報告されており, 抗凝固療法の利用や大径血管シースの利用により増加傾向にあるといわれている. 医原性仮性動脈瘤の従来からの治療法として外科的治療, 超音波ガイド下プローブ圧迫法等が行われている. 超音波下トロンビン注入療法は医原性仮性動脈瘤の治療成績がよく, 1980年代後半より多くの報告がされてきた. 今回我々は, 超音波下少量トロンビン注入による仮性動脈瘤の塞栓効果につき検討した4症例について報告する. 対象と方法:対象は, 2005年6月から2008年12月までに, 血管造影後, 仮性動脈瘤を形成した4例であった. 塞栓方法は, 超音波下に仮性動脈瘤内に23G針を穿刺後, カラードプラにて血流状態を確認しながらトロンビンを100単位ずつ注入した. カラードプラによる血流表示が消失した時点でトロンビン注入を終了とした. 結果・考察:全例で良好な塞栓効果が得られた. 使用したトロンビン量は, 平均575単位であり, 今回の4症例のうち3症例は少量でのトロンビン注入にて, 仮性動脈瘤の治療に成功し, 合併症は報告されなかった. 医原性仮性動脈瘤に対する超音波下トロンビン注入療法での, トロンビン使用量を比較的少量に抑えることによって, 合併症の頻度を最小限にし得ること, また少量投与で十分な効果を得られることが示唆された. 結語:医原性仮性動脈瘤に対する治療法として, 超音波下トロンビン注入療法は塞栓効果をカラードプラにて確認でき, 少量でも確実性が高く合併症, 再発もなく有用と考えられた. |
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ISSN: | 0375-9172 |