10. 肩関節腱板断裂に対する小切開手術療法の治療成績
我々は, 最近, 肩関節の腱板断裂に対して, 皮切約4cmの小切開による手術治療を施行しており, 今回は, その術後成績について報告する. 対象は, 当科で肩関節膣板断裂と診断し, 外来での保存加療にて症状が軽快せず, 手術を施行し, 術後3ヵ月以上経過した20肩20例(男12例女8例)であり, 平均年齢は60歳, 術後経過観察期間は平均8ヵ月(3~16ヵ月), 術前のJOAスコアは平均62.5点(40~71点)であった. 手術は, 全身麻酔にて肩関節鏡を施行後, 約4cmの小皮切にて侵入し, 三角筋を展開し, 肩峰の前外側部を骨切りし, 肥厚癒着した肩峰下滑液包を切除後, 断裂した腱板の断端...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2008, Vol.123 (6), p.376-376 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我々は, 最近, 肩関節の腱板断裂に対して, 皮切約4cmの小切開による手術治療を施行しており, 今回は, その術後成績について報告する. 対象は, 当科で肩関節膣板断裂と診断し, 外来での保存加療にて症状が軽快せず, 手術を施行し, 術後3ヵ月以上経過した20肩20例(男12例女8例)であり, 平均年齢は60歳, 術後経過観察期間は平均8ヵ月(3~16ヵ月), 術前のJOAスコアは平均62.5点(40~71点)であった. 手術は, 全身麻酔にて肩関節鏡を施行後, 約4cmの小皮切にて侵入し, 三角筋を展開し, 肩峰の前外側部を骨切りし, 肥厚癒着した肩峰下滑液包を切除後, 断裂した腱板の断端部を新鮮化し, 縫合した. すべての症例で, 肩の疼痛は緩和もしくは消失し, JOAスコアは術後平均96.8点(84~100点)へと改善した. 肩関節の変性ならびに外傷性腱板断裂は, 薬の内服, 肩関節への注射, 理学治療などの保存加療を施行しても, 症状が軽快しない症例がある. 我々は, このような症例に対し, 平成19年度から小切開手術治療を施行しており, 今回の調査により, これまで比較的良好な治療成績を得ていることが判明した. 治療成績が良好であることの要因として, 皮切が約4cmと非常に短く, 外科的浸襲が小さいことより, 術後の後療法を早期に開始できることが考えられる. 近年, 腱板断裂に対しては, 関節鏡を用いた鏡視下手術が普及してきているが, 手技的な問題や合併症の問題もあり, 安全かつ確実な治療を行うには, 小切開にて直視下に治療を行う本法が, 現時点では望ましいと考える. |
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ISSN: | 0375-9172 |