3. 当院における嚥下造影検査の現状

目的:当院で現在行われている嚥下造影検査(以下VF)の現状を明らかにする. 対象方法:平成12年8月-平成13年10月に施行されたVF81件を対象とした. 検査時に記録しているVF評価表をもとに, (1)対象患者のプロフィール, (2)検査時の所見(誤嚥の有無,誤嚥を予防する方法の有無など), (3)検査後の摂食状況の変化等の項目につき後方視的に調査を行った. 結果:1年3ヵ月の調査期間中の検査件数は81件であるが, 複数回検査を行っている患者が7名あり, 患者数としては70名であった. 男性56件, 女性25件で, 年齢は13-90(平均69)歳であった. 検査件数は徐々に増加しており, 平...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2003, Vol.118 (5), p.398-398
Hauptverfasser: 大熊るり, 青木重陽, 小山照幸, 辰濃尚, 猪飼哲夫, 宮野佐年
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:当院で現在行われている嚥下造影検査(以下VF)の現状を明らかにする. 対象方法:平成12年8月-平成13年10月に施行されたVF81件を対象とした. 検査時に記録しているVF評価表をもとに, (1)対象患者のプロフィール, (2)検査時の所見(誤嚥の有無,誤嚥を予防する方法の有無など), (3)検査後の摂食状況の変化等の項目につき後方視的に調査を行った. 結果:1年3ヵ月の調査期間中の検査件数は81件であるが, 複数回検査を行っている患者が7名あり, 患者数としては70名であった. 男性56件, 女性25件で, 年齢は13-90(平均69)歳であった. 検査件数は徐々に増加しており, 平成12年は月平均3件であったが, 平成13年10月には月13件となっている. 患者の原疾患としては脳卒中が54%と最も多く, ついで呼吸器疾患が17%, 神経筋疾患が12%であった. 検査中に誤嚥を認めたのは45件であり, そのうち37件は誤嚥を予防する何らかの方法(液体にトロミをつける, 摂食時の姿勢を調整する等)が確認された. 嚥下障害に対する治療が終了している64名の患者のうち33名(52%)がVF前には経口摂取不可能であったが, うち23名が治療終了時には何らかのかたちで経口摂取可能となっていた. 64名中44名(69%)が最終的に三食経口摂取可能となった. 今後の課題:今後, VFをより有効かつスムーズに行っていくための検討課題として, 検査結果の主治医への伝達方法の確立や, 患者および介護者への教育用としての録画ビデオの活用法などが挙げられる.
ISSN:0375-9172