C3. 無菌室入室患者の精神的ケア(2)-心理テストの活用

目的・方法:無菌室内の移植患者に対する精神的ケアとして, 移植患者12名に対し移植前にSCT, CAS, YG性格検査を行い, その結果から心理士が中心にカンファレンスや患者へ結果のフィードバック, 経時的な面接を行い, これらのアプローチが患者の精神的ケアに有用かを検討した. 結果:SCTより感情を直接表現せず, 緊張が高まり易いと判断された患者に対しては比喩的な言葉を聞き流さないようにした. 理解力に問題があり, うっかり行動が懸念された患者には仮入室を2回行った. フィードバックでは無菌室で患者の精神的支えになりそうなことを中心に話した. このような実践により, 全例大きな精神的混乱はな...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1999, Vol.114 (4), p.191-191
Hauptverfasser: 斎藤洋美, 惣滑谷和孝, 笠原洋勇, 西脇嘉一, 大坪寛子, 増岡秀一, 片山俊夫, 小林正之, 貝澤理嘉, 野口美紀, 南理恵, 羽入田夕子, 広幡早苗, 小沼幸子, 椎名啓子, 飯塚弘子, 土田友美, 塩田博美, 熊倉亜津子, 篠原裕子, 藤田幸枝, 菅原直子, 有賀庸代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的・方法:無菌室内の移植患者に対する精神的ケアとして, 移植患者12名に対し移植前にSCT, CAS, YG性格検査を行い, その結果から心理士が中心にカンファレンスや患者へ結果のフィードバック, 経時的な面接を行い, これらのアプローチが患者の精神的ケアに有用かを検討した. 結果:SCTより感情を直接表現せず, 緊張が高まり易いと判断された患者に対しては比喩的な言葉を聞き流さないようにした. 理解力に問題があり, うっかり行動が懸念された患者には仮入室を2回行った. フィードバックでは無菌室で患者の精神的支えになりそうなことを中心に話した. このような実践により, 全例大きな精神的混乱はなく無菌管理ができたが, 嘔気や落ち込みのため内服のごまかしや著しい遅れが3例に見られた. SCTは無菌室の患者の心理, 行動を予測し対処するのに有用であった. YGはSCTの結果を部分的に補強することもあったが, CASは無関係だった. 考察:身体的状況から予測される以上の嘔気や落ち込みには移植, 疾患の受容の要因も考えられ, SCTにも反映されていた. SCTの活用度をさらに高めるには, 何が患者の精神的安定と繋がり, 精神的経過として自然かつ治療的に望ましいかを個別に探索することが重要と考えられた.
ISSN:0375-9172