レーザー・ドップラー血流計による眼循環の研究

「I. 緒言」眼科領域でのドップラー法による血流計測は, 超音波ドップラー法において若干の臨床応用が見られるが1), レーザー・ドップラー法の利用はほとんどない. 一部眼底カメラの光路系にレーザー・ドップラー血流計を組み入れた方法が発表されたが2), これは, 眼底の太い網膜血管血流を分析しているのみで, 蛍光眼底撮影法に必ずしもまさるものではない. レーザー・ドップラー血流計の最大の利点は, レーザー光が赤血球の動きに反応することであり, 組織血流(tissue blood flow)や毛細血管血流(capillary blood flow)のレベルを分析することにある. しかし, レーザー...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1989, Vol.104 (1), p.209-215
Hauptverfasser: 椎名一雄, 松崎浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」眼科領域でのドップラー法による血流計測は, 超音波ドップラー法において若干の臨床応用が見られるが1), レーザー・ドップラー法の利用はほとんどない. 一部眼底カメラの光路系にレーザー・ドップラー血流計を組み入れた方法が発表されたが2), これは, 眼底の太い網膜血管血流を分析しているのみで, 蛍光眼底撮影法に必ずしもまさるものではない. レーザー・ドップラー血流計の最大の利点は, レーザー光が赤血球の動きに反応することであり, 組織血流(tissue blood flow)や毛細血管血流(capillary blood flow)のレベルを分析することにある. しかし, レーザー光そのものは眼組織に対して必ずしも安全なものではないので, 眼科領域においてレーザー・ドップラー血流計の利用は他科に比較して遅れている現状である. 今回, 家兎を用いて眼組織に対するレーザー・ドップラー血流計の利用価値を検討し, さらに, 急速眼圧上昇時の虹彩血流の変化について知見を得たのでここに報告する.
ISSN:0375-9172