O-5-3 小児補助循環における連続的圧モニターの有用性

【目的】 今回JMS社製カルディアプレスを使用し, 連続的圧モニタリングの有用性について検討を行った. 【対象】 症例1:生後10日の男児で, 身体所見は身長49cm, 体重2,885g, 体表面積0.19m2であった. 診断は壁内走行を示す異常冠状動脈を伴う完全大血管転位症で, 人工心肺下にJatene手術を施行したが, 術中移植左冠動脈の血流不良から修正後も術後心不全となりECMO導入となった. 症例2:生後7ヶ月の女児で, 身体所見は身長70cm, 体重8,250g, 体表面積0.38m2で判った. 診断はファロー四徴症で重症肺動脈狭窄があり, 術中のspell防止のためにECMO補助下...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2011, Vol.38 (3), p.399-399
Hauptverfasser: 繁在家亮, 鳥越祐子, 上木原友佳, 堰端大輔, 進藤靖夫, 河田政明, 三澤吉雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】 今回JMS社製カルディアプレスを使用し, 連続的圧モニタリングの有用性について検討を行った. 【対象】 症例1:生後10日の男児で, 身体所見は身長49cm, 体重2,885g, 体表面積0.19m2であった. 診断は壁内走行を示す異常冠状動脈を伴う完全大血管転位症で, 人工心肺下にJatene手術を施行したが, 術中移植左冠動脈の血流不良から修正後も術後心不全となりECMO導入となった. 症例2:生後7ヶ月の女児で, 身体所見は身長70cm, 体重8,250g, 体表面積0.38m2で判った. 診断はファロー四徴症で重症肺動脈狭窄があり, 術中のspell防止のためにECMO補助下でB-T Shunt術を行った. 【方法】 回路は自治医大式ECMO回路(JMS社製), 人工肺はBIOCUBE 2000 (NIPRO社製), 送血ポンプはJMSターボ血液ポンプMixflo-CF3 (JMS社製)を使用した. 遠心ポンプ入口側(Pi)と出口側(Po)にカルディアプレスの専用セルを組込み, 圧力値の記録を行った. 【結果】 症例1は補助循環時間165hrで, 経過中に目視で溶血尿が確認され, 開始から94時間に遠心ポンプと人工肺を含めた回路交換を行った. 灌流量351±50.1mL/min, 回転数2,666±126rpm, 平均血圧55.7±6.8mmHg, Pi 28.8±10.8mmHg, Po 131±10.3mmHg, ACT 187±44.9秒であった. 症例2は補助循環時間72min, 灌流量535±60.2mL/min, 回転数4,917±271rpm, 平均血圧64.5±5.9mmHg, Pi-36.1±14.6mmHg, Po 391±64.2mmHg, ACT 573±135secであった. 使用後のセルと人工肺に顕著な血栓は認めなかった. 【考察】 従来から脱血の良否の指標として, 回路の振動や回転数あたりの灌流量などで判断していたが, 小児補助循環の低流量では把握が困難であった. 今回, ポンプ入口圧を連続的にモニターして数値指標が得られたことで, この推移により脱血不良の兆候を早期に把握し, 迅速な対応が可能であった. また, 医師や看護師も含め管理が容易となり, 少ない人員でもより安全に管理が行えた. 【結語】 小児補助循環においてカルディアプレスを用いたモニタリングは, 脱血状態の指標となった.
ISSN:0912-2664