RD-11-4 大分大学医学部附属病院における胸腹部大動脈置換術時の体外循環法

【はじめに】 大血管手術を行う際, 人工心肺を用いた体外循環は必要不可欠である. 特に胸腹部大動脈置換術を行う際の体外循環法は特殊であり, 各施設において回路構成や循環方法は様々である. 今回, 大分大学医学部附属病院における胸腹部大動脈置換術時の体外循環法を紹介する. 【回路構成】 胸腹部大動脈置換術での体外循環は送脱血バランスの調整が難しく熟練した技術が要求される. そこで, 当院では送脱血のバランス調整が容易であるJMS社製の閉鎖チャンバー式静脈血リザーバー(以下, 閉鎖チャンバー)を組み込んだ閉鎖型人工心肺回路を使用している. なお, 出血にも対応できるよう貯血槽を人工心肺回路と並列に取り付けている. 【体外循環】 大腿静脈脱血, 大腿動脈送血による部分体外循環: F-F bypassを自然冷却下にて行っている. 閉鎖回路であるため, 体外循環開始直後に閉鎖チャンバー内に空気が混入していないことを確認する.