N14-1 遠心ポンプシステムで発生した送血流量表示異常の一例
【目的】当院では, 成人用主送血ポンプとして, Centrifugal blood pump system(HAP-31:日機装)を使用しているが, メーカーの保守点検に伴う代替機使用した際に, 送血流量の表示異常を発生した体外循環を経験したので報告する. 【症例】66歳, 男性. PCI困難のため, 冠動脈バイパス手術の適応と判断され入院となった. 手術はCABG2 枝パイパス. 送, 脱血カニューレ挿入後, 送血側の拍動と逆流を確認し, 体外循環を開始した. 開始と同時に回転数を上げ回路内圧は順調に上昇したが, 回転表示数と流量表示が, これまでに経験した数値と異なっていたため, 術者に報...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2006, Vol.33 (3), p.331-331 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】当院では, 成人用主送血ポンプとして, Centrifugal blood pump system(HAP-31:日機装)を使用しているが, メーカーの保守点検に伴う代替機使用した際に, 送血流量の表示異常を発生した体外循環を経験したので報告する. 【症例】66歳, 男性. PCI困難のため, 冠動脈バイパス手術の適応と判断され入院となった. 手術はCABG2 枝パイパス. 送, 脱血カニューレ挿入後, 送血側の拍動と逆流を確認し, 体外循環を開始した. 開始と同時に回転数を上げ回路内圧は順調に上昇したが, 回転表示数と流量表示が, これまでに経験した数値と異なっていたため, 術者に報告し, 体外循環を停止した. 回路の屈曲やコントローラーを確認し, 術者は送血カニューレの交換を行い, 慎重に体外循環を再開した. しかし, 回転数を3000rpm以上へと増加させたが灌流指数1.0L/min/m2以上とならなかったため, 流量計の表示異常と判断をした. 生体侵襲を考慮し, 回転数と回路内圧, 各種生体情報を指標に運転を続行した. 手術は順調に終了し, 患者は約37日後に歩行にて退院となった. 【考察】本事例は, HAP-31に付属する流量計の感度低下が, 何らかの外部ノイズにより影響を受けていたことが伝導性耐ノイズ試験により明らかとなった. しかし, 始業点検時に, 応答性や流量精度などの確認により防止できたと考えられた. 超音波式ドップラー流量計の欠点である無血充填時の不安定な流量表示を, 体外循環開始直後に正常と判断したこと, 予備の流量計やローラーポンプへ交換する備品が予め準備なされていなかったことなど, 改めて改善すべき問題と認識した. 【結論】本件から, 超音波式ドップラー流量計で応答する擬似血液を用いた模擬回路による始業点検を新たに加えたことで, 事前に精度の確認が可能となり, 装置に異常があれば, 迅速に予備機への切替が可能となった. |
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ISSN: | 0912-2664 |