小児用人工心肺回路のチューブ径と回路長による回路内圧変化

【要旨】人工心肺の初期充填量を軽減するにはチューブの回路径と回路長は重要な要素となる。回路の長さを変更せずに回路径を細い径にすることは,回路内圧が増加し臨床上変更できない。そのため回路内圧の上昇を少なくするためには回路の長さの短縮が必要となる。予定する灌流量に対する回路,人工肺,動脈フィルタ,カニューレの圧力損失はそれぞれの流量によって異なり全体から見る割合も異なる。そのため回路,人工肺,動脈フィルター,カニューレを組み込み,システム全体から回路の圧力損失について検討した。チューブ径5/32インチを主とした送血ポンプからの回路全長は335mmで,流量0.8L/minの圧力損失は13.2mmHg...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:体外循環技術 2004/03/01, Vol.31(1), pp.21-24
Hauptverfasser: 北本, 憲永, 神谷, 典男, 鈴木, 政則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【要旨】人工心肺の初期充填量を軽減するにはチューブの回路径と回路長は重要な要素となる。回路の長さを変更せずに回路径を細い径にすることは,回路内圧が増加し臨床上変更できない。そのため回路内圧の上昇を少なくするためには回路の長さの短縮が必要となる。予定する灌流量に対する回路,人工肺,動脈フィルタ,カニューレの圧力損失はそれぞれの流量によって異なり全体から見る割合も異なる。そのため回路,人工肺,動脈フィルター,カニューレを組み込み,システム全体から回路の圧力損失について検討した。チューブ径5/32インチを主とした送血ポンプからの回路全長は335mmで,流量0.8L/minの圧力損失は13.2mmHg,1.2L/minで27.8mmHg,2.0L/minで59mmHgであった。また,臨床使用例での体重9kg以下用のシステムでは流量は1.02±0.27L/min(0.54~1.60L/min)で,動脈フィルタ入口部回路内圧は188.9±79.3mmHg(80~350mmHg)であり,臨床使用上の許容範囲内であると考えられた。回路径を細くすることは低充填化に有効であり,無輸血手術の可能性と人工心肺中の血液希釈の影響を最小限に抑えることが可能と考える。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/hokkaidoshakai.31.21