P15 脳内酸素飽和度モニターINVOS 4100の使用経験

【目的】Edwards社製INVOS4100(R)(INVOS)は, 非侵襲的に脳内酸素飽和度(rSO2)を連続的にモニターできる装置であり, 2チャンネルあるため, 左右別々にrSO2を測定することができる. 今回我々は, 脳分離体外循環(SCP)を行った症例に対して, INVOSを使用する機会を得たので報告する. 【対象】2001年10月~2002年5月までに行なわれたSCPを行った症例中, INVOSを使用した6症例を対象とした. 【方法】浅側頭動脈圧測定ラインを挿入した後, 前額部にINVOSを装着して測定を開始した. 体外循環中は, INVOSのrSO2値を50%以上にコントロールし...

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Veröffentlicht in:体外循環技術 2002, Vol.29 (3), p.280-280
Hauptverfasser: 朝日亨, 小林英知, 谷澤勝, 佐藤洋平, 山村晃生, 清水剛, 石丸新
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】Edwards社製INVOS4100(R)(INVOS)は, 非侵襲的に脳内酸素飽和度(rSO2)を連続的にモニターできる装置であり, 2チャンネルあるため, 左右別々にrSO2を測定することができる. 今回我々は, 脳分離体外循環(SCP)を行った症例に対して, INVOSを使用する機会を得たので報告する. 【対象】2001年10月~2002年5月までに行なわれたSCPを行った症例中, INVOSを使用した6症例を対象とした. 【方法】浅側頭動脈圧測定ラインを挿入した後, 前額部にINVOSを装着して測定を開始した. 体外循環中は, INVOSのrSO2値を50%以上にコントロールした. 20℃~25℃まで冷却した後, 循環停止とし, SCPを右腋窩動脈と左総頚動脈より開始した. SCPの流量は右浅側頭動脈圧を30~40mmHgとなるように流量をコントロールし, 更に, 脳分離体外循環中のrSO2が50%以上となるようにコントロールした. 【結果】rSO2値は体外循環開始と同時に低下し, 冷却により上昇した. 6症例においてrSO2最高値は75%, 最低値は43%であり, 弓部大動脈全置換術症例では左総頚動脈吻合時のSCPは, 右腋窩動脈送血のみとなるため, 左右のrSO2値が低下した. また, 輸血, 体温の変化によりrSO2の値が変化した. 【考察】INVOSは非侵襲的であり, 左右別々にモニターできることからSCP中のモニターとして有用であると考えられたが, 脳の局所的な酸素飽和度を測定しているため, 他のモニターと併用する必要があると考えられた. 【結論】1. 今回我々はSCPを行った症例でINVOSを使用した. 2. SCP中のrSO2は, 手術操作, 温度, Hb値により大きく変化し, 浅側頭動脈圧とrSO2を見ながらSCPをコントロールした. 3. INVOSはSCP中のモニターとして有用なモニターであったが, 他のモニターを併用する必要性があると考えられた.
ISSN:0912-2664