脳分離体外循環における脳血流量の流量分布の測定と有用性についての検討
当施設では弓部大動脈瘤手術の際,1基のポンプで選択的脳灌流法を行っている。今回,脳灌流を1基のポンプで行った際の血流が,弓部3分枝にどのように分布するかについて超音波血流計を用い測定し血流分布比率を求めた。また,連続的に血流をモニタすることの有用性について検討した。脳灌流量は10~18ml/kg/minとし,脳灌流圧が左総頸動脈のカニューレの先端圧で40~50mmHgになるように適宜調節を行った。脳分離体外循環時の右腕頭動脈,左総頸動脈,左鎖骨下動脈の血流量の平均比率は2.00:1.08:1.00であった。右腕頭動脈と左総頸動脈+左鎖骨下動脈の血流量の比率は1.00:1.04となり,ほぼ左右均...
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Veröffentlicht in: | 体外循環技術 2001/03/01, Vol.28(1), pp.39-42 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当施設では弓部大動脈瘤手術の際,1基のポンプで選択的脳灌流法を行っている。今回,脳灌流を1基のポンプで行った際の血流が,弓部3分枝にどのように分布するかについて超音波血流計を用い測定し血流分布比率を求めた。また,連続的に血流をモニタすることの有用性について検討した。脳灌流量は10~18ml/kg/minとし,脳灌流圧が左総頸動脈のカニューレの先端圧で40~50mmHgになるように適宜調節を行った。脳分離体外循環時の右腕頭動脈,左総頸動脈,左鎖骨下動脈の血流量の平均比率は2.00:1.08:1.00であった。右腕頭動脈と左総頸動脈+左鎖骨下動脈の血流量の比率は1.00:1.04となり,ほぼ左右均等に流量の配分が行えていると考えられた。22例中7症例で血管の圧迫,カニューレの折れ曲がりなどによる流量低下を経験したが,術後脳合併症の発生率は0%であった。また,連続的に分枝血流量を監視し,血流量低下時,速やかに対処することで脳合併症の発生を抑えられたと考えられた。 |
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ISSN: | 0912-2664 1884-5452 |
DOI: | 10.7130/hokkaidoshakai.28.39 |