トリペプチドアルデヒドZ-Leu-Leu-Leu-HはマウスES細胞由来の神経幹細胞をニューロンへ分化誘導する

外因性神経突起伸長因子Benzyloxycarbonyl-Leucyl-Leucyl-Leucinal(Z-LLL-H)は,末梢神経系細胞株のラット副腎褐色細胞腫由来PC12細胞に作用して神経突起伸長を低濃度で誘発する。本研究では,胚性幹細胞からNeural Stem Sphere法により分化誘導した神経幹細胞にZ-LLL-Hを添加し,その効果を検討した。Z-LLL-Hは,神経幹細胞に対して,40nM以下の低濃度で突起伸長作用を示し,細胞生存率に殆ど影響を及ぼさないことが確認された。また,免疫組織化学によるタンパク質解析とRT-PCRによる遺伝子解析から,Z-LLL-H添加により誘導された突起...

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Veröffentlicht in:日本保健科学学会誌 2010/03/25, Vol.12(4), pp.230-236
Hauptverfasser: 祭, 友昭, 岩山, 賢一, 大津, 昌弘, 井上, 順雄, 笠井, 久隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:外因性神経突起伸長因子Benzyloxycarbonyl-Leucyl-Leucyl-Leucinal(Z-LLL-H)は,末梢神経系細胞株のラット副腎褐色細胞腫由来PC12細胞に作用して神経突起伸長を低濃度で誘発する。本研究では,胚性幹細胞からNeural Stem Sphere法により分化誘導した神経幹細胞にZ-LLL-Hを添加し,その効果を検討した。Z-LLL-Hは,神経幹細胞に対して,40nM以下の低濃度で突起伸長作用を示し,細胞生存率に殆ど影響を及ぼさないことが確認された。また,免疫組織化学によるタンパク質解析とRT-PCRによる遺伝子解析から,Z-LLL-H添加により誘導された突起伸長細胞は,ニューロンへと分化していることが確認された。従って,Z-LLL-Hは,神経幹細胞に対して神経突起伸長因子としての働きだけでなく,ニューロンへの選択的分化誘導作用も有することが確認された。また,胚性幹細胞由来の神経幹細胞からZ-LLL-H添加により分化誘導されたニューロンの実験的意義と,神経系疾患への再生医療に対する有用性について考察した。
ISSN:1880-0211
2433-3018
DOI:10.24531/jhsaiih.12.4_230