POPs等難分解性有機化合物の微生物分解に関する研究
「はじめに」残留性有機汚染物質(POPs)の一部は我が国においても今なお農耕地土壌等に残留, ウリ科を中心とする農作物の汚染(基準値超過)が確認されており, POPsの作物汚染リスクを低減する土壌浄化技術が求められている. その中で, 分解菌を外から汚染現場に導入するバイオオーグメンテーションは, 土壌機能を損なわず, 安全・安価に原位置浄化できることから, 期待が大きい. しかし, POPs分解菌は自然界には殆ど存在せず, その集積・単離が非常に困難であった. そこで, 本稿では, 筆者らが開発した土壌・木炭還流法を用いたPOPs分解菌の集積・単離法を紹介し, 単離・同定したヘキサクロロベン...
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Veröffentlicht in: | 日本農薬学会誌 2019/08/20, Vol.44(2), pp.158-159 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」残留性有機汚染物質(POPs)の一部は我が国においても今なお農耕地土壌等に残留, ウリ科を中心とする農作物の汚染(基準値超過)が確認されており, POPsの作物汚染リスクを低減する土壌浄化技術が求められている. その中で, 分解菌を外から汚染現場に導入するバイオオーグメンテーションは, 土壌機能を損なわず, 安全・安価に原位置浄化できることから, 期待が大きい. しかし, POPs分解菌は自然界には殆ど存在せず, その集積・単離が非常に困難であった. そこで, 本稿では, 筆者らが開発した土壌・木炭還流法を用いたPOPs分解菌の集積・単離法を紹介し, 単離・同定したヘキサクロロベンゼン(HCB), ディルドリン及びヘキサクロロシクロヘキサン(HCHs)分解菌の特徴, 代謝経路, 分解酵素遺伝子(群)について述べる. さらに, これらの分解菌(群)を木質炭化素材に集積させ, HCHs実汚染土壌に混和することにより, 土壌中で安定的に分解能を発揮させ, 分解除去に成功した事例についても概説したい. |
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ISSN: | 2187-0365 2187-8692 |
DOI: | 10.1584/jpestics.W19-59 |