我が国の膵癌診療の現状とこれから
「はじめに」厚生労働省の2019年の人口動態統計によれば, 我が国の悪性新生物は, 死亡数が376,425人, 死亡率は304.2人(人口10万人あたり)の結果である. 膵癌の罹患数は, 年々増加し, 40,981人(2017年度)と全悪性腫瘍のうち第7位であるが, 一方で死亡数は36,356人(2019年度)と第4位に相当しており, 依然として予後不良な疾患として突出している. 本稿では, 我が国の膵癌診療の現状とこれから, について述べてみたい. 「膵癌のリスクファクター」「1. 家族歴」膵癌家族歴, 家族性膵癌 膵癌の家族性罹患率は3~8.7%程度とされる. 近親者に多いほど膵癌の発生リ...
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Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2021/06/25, Vol.17(3), pp.98-107 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」厚生労働省の2019年の人口動態統計によれば, 我が国の悪性新生物は, 死亡数が376,425人, 死亡率は304.2人(人口10万人あたり)の結果である. 膵癌の罹患数は, 年々増加し, 40,981人(2017年度)と全悪性腫瘍のうち第7位であるが, 一方で死亡数は36,356人(2019年度)と第4位に相当しており, 依然として予後不良な疾患として突出している. 本稿では, 我が国の膵癌診療の現状とこれから, について述べてみたい. 「膵癌のリスクファクター」「1. 家族歴」膵癌家族歴, 家族性膵癌 膵癌の家族性罹患率は3~8.7%程度とされる. 近親者に多いほど膵癌の発生リスクは増加し, 第一度近親者の患者数が3人以上だと32倍と高率である. 第一度近親者(親・兄弟姉妹・子)に2人以上の膵癌罹患者がいる家系は『家族性膵癌家系』と定義される. 家族性膵癌家系では50歳未満の罹患者がいるとリスクは9.31倍と増加し, 第二度近親者以内にも膵癌が多い. |
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ISSN: | 1349-8975 1880-2877 |
DOI: | 10.1272/manms.17.98 |