P-29)IgA腎症に対する扁桃摘出後ステロイドパルス+ミゾリビン療法の短期治療効果

目的:病巣感染の観点から, IgA腎症に対する扁桃摘出後ステロイドパルス療法が, わが国を中心に積極的に施行されている. ステロイドの使用量を極力抑える目的から, われわれはステロイドパルスを1クールとし, 後療法としてミゾリビンをステロイド内服と併用しているが, その効果につき報告する. 対象および方法:腎生検にて活動性変化を伴うIgA腎症と診断され, 顕微鏡的血尿, 蛋白尿を認める症例. 治療開始後1年以上経過を追った43例(男17, 女26)を対象とし, CKD stageごとに治療効果を比較した. 結果:1年後に尿所見の完全寛解が得られた症例は全症例で70.0%, CKD stage...

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Veröffentlicht in:日本医科大学医学会雑誌 2009, Vol.5 (4), p.262-262
Hauptverfasser: 金子朋広, 福井めぐみ, 安田文彦, 福田久美子, 平間章郎, 有馬留志, 上田佳恵, 三井亜希子, 内海甲一, 飯野靖彦, 片山泰朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:病巣感染の観点から, IgA腎症に対する扁桃摘出後ステロイドパルス療法が, わが国を中心に積極的に施行されている. ステロイドの使用量を極力抑える目的から, われわれはステロイドパルスを1クールとし, 後療法としてミゾリビンをステロイド内服と併用しているが, その効果につき報告する. 対象および方法:腎生検にて活動性変化を伴うIgA腎症と診断され, 顕微鏡的血尿, 蛋白尿を認める症例. 治療開始後1年以上経過を追った43例(男17, 女26)を対象とし, CKD stageごとに治療効果を比較した. 結果:1年後に尿所見の完全寛解が得られた症例は全症例で70.0%, CKD stage 3では44.4%(どちらも2年以降でさらに増加)で, その後も寛解を維持している. また, CKD stage 3の全症例で推算糸球体濾過量(eGFR)の改善を認めた(46.0±8.7→57.8±12.3mL/min/1.73m2). 糖尿病や骨病変などの副作用は認めていない. 考察:扁摘後ステロイドパルス+ミゾリビン療法は早期IgA腎症の寛解のみならず進行例に対する腎機能保持効果が高いと考えられた. ステロイド薬使用量の少なさをミゾリビンが補うとともに, 同薬剤による間質線維化の抑制効果が示唆された.
ISSN:1349-8975