P-51)当院におけるTop of the basilar syndromeの検討
目的:Top of the basilar syndrome(以下TOB)は, 脳底動脈先端の閉塞により, 1980年にCaplanらによって報告された症候群である. TOBの頻度や特徴についてまとめた報告は少なく, 今回当院SCU開設後に入院した症例を対象として検討を行った. 対象および方法:開設(平成17年5月)以降の全788例から, 入院時診断でTOBを疑われた症例について, 臨床経過および画像的所見より後方視的に検索した. 結果:全入院患者のうち, 脳梗塞(TIA除く)の診断は624例であった. これらのうち, TOBは14例(2.2%)であった. 性別は男性9例, 女性5例であり,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本医科大学医学会雑誌 2008, Vol.4 (4), p.254-255 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 目的:Top of the basilar syndrome(以下TOB)は, 脳底動脈先端の閉塞により, 1980年にCaplanらによって報告された症候群である. TOBの頻度や特徴についてまとめた報告は少なく, 今回当院SCU開設後に入院した症例を対象として検討を行った. 対象および方法:開設(平成17年5月)以降の全788例から, 入院時診断でTOBを疑われた症例について, 臨床経過および画像的所見より後方視的に検索した. 結果:全入院患者のうち, 脳梗塞(TIA除く)の診断は624例であった. これらのうち, TOBは14例(2.2%)であった. 性別は男性9例, 女性5例であり, 平均年齢は70.8歳であった. 主な症状は, 意識障害13例(92.9%), 片麻痺8例(57.1%), 眼球運動障害7例(50.0%), 四肢麻痺4例(28.6%)であった. 発症から入院までの時間は, 3時間以内5例(うちrt-PA使用1例), 3~12時間6例, 12時間以降3例, と12時間以内に入院となった症例が全体の78.6%を占めた. 発症機序はアテローム血栓性9例, 心原性塞栓症4例, その他1例であった. 退院時mRS3以上は78.6%, mRS5/6は50.0%であり, 予後不良であった. 考察:TOBはまれな頻度であるが, 意識障害が主体となり多彩かつ重篤な臨床症状を呈する. われわれの検討では, 病型によらず予後不良であった. 上記報告に加え, 代表的症例の経過を含めて報告する. |
---|---|
ISSN: | 1349-8975 |