5)最近5年間の結核菌検出状況
目的:抗酸菌検出状況の年次動向を調べ, 医療現場における結核菌の存在を再確認する. 方法:過去5年間に抗酸菌検査を依頼された臨床検査材料2,756件を対象とし, 年次動向を検討した. 抗酸菌検査は, 厚生省結核菌検査指針に準じて行った, 結果:1)抗酸菌陽性率は平成5年度14.1%, 6年度7.0%, 7年度6.7%, 8年度8.5%, 9年度5.3%で, 平均8.3%, 2)抗酸菌分離株に対する結核菌(M. tuberculosis)の割合はそれぞれ48.0%, 40.5%, 36.8%, 26.7%, 45.2%で平均は40.0%, 3)その他の分離菌はM. aviumintracellu...
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 1999, Vol.66 (1), p.60-60 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:抗酸菌検出状況の年次動向を調べ, 医療現場における結核菌の存在を再確認する. 方法:過去5年間に抗酸菌検査を依頼された臨床検査材料2,756件を対象とし, 年次動向を検討した. 抗酸菌検査は, 厚生省結核菌検査指針に準じて行った, 結果:1)抗酸菌陽性率は平成5年度14.1%, 6年度7.0%, 7年度6.7%, 8年度8.5%, 9年度5.3%で, 平均8.3%, 2)抗酸菌分離株に対する結核菌(M. tuberculosis)の割合はそれぞれ48.0%, 40.5%, 36.8%, 26.7%, 45.2%で平均は40.0%, 3)その他の分離菌はM. aviumintracellulare-complex, M. kansasii, M. scrofulaceum, M. gordonae, M. nonchromo-genicumで, うちM. aviumintracellulare-complexは71株(そろそれ11株, 17株, 16株, 19株, 8株), M. kansasiiは12株であった. 4)塗抹陽性, 培養陰性は12件(5%), 塗抹陰性, 培養陽性は180件(75%), 塗抹陽性, 培養陽性は48件(20%)であった. 考察:近年, 結核の減少率は鈍化傾向にあるが, 非定型抗酸菌症, 特にM. avium complex症およびM. kansasii症は首都圏を中心に増加傾向にある. 今回の検討において, 結核菌は8年度まで減少したが9年度は増加, 一方, 非定型抗酸菌の増加はなかった. 結核菌は院内感染症だけでなく, 多剤耐性菌も報告されており, その動向を把握し対処することが重要である. |
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ISSN: | 1345-4676 |