P-149)深部静脈血栓症の管理と肺塞栓症発症にいたるリスクファクターについての検討
妊娠中は非妊時に比較し血栓易形成状態にあり, 下肢深部静脈血栓症を発症しやすい. さらに, 分娩による母体循環動態の急激な変化は, 肺塞栓症への移行をきたしやすい. 今回, 我々は妊婦または褥婦に発症した深部静脈血栓症の4例を経験したので, 臨床所見, 血液学的所見から深部静脈血栓症の管理, および肺塞栓症にいたるリスクファクターについて検討した. その結果, 血栓症のリスクファクターとして1)帝王切開術, 2)術後長期臥床, 3)肥満(BMI26以上), 4)ループスアンチコアグラント陽性, 5)高血圧, 糖尿病(家族歴を含む), 6)妊娠中毒症, 7)高齢, 8)不十分な輸液があげられた....
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Veröffentlicht in: | Journal of Nippon Medical School 1998, Vol.65 (6), p.574-574 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 妊娠中は非妊時に比較し血栓易形成状態にあり, 下肢深部静脈血栓症を発症しやすい. さらに, 分娩による母体循環動態の急激な変化は, 肺塞栓症への移行をきたしやすい. 今回, 我々は妊婦または褥婦に発症した深部静脈血栓症の4例を経験したので, 臨床所見, 血液学的所見から深部静脈血栓症の管理, および肺塞栓症にいたるリスクファクターについて検討した. その結果, 血栓症のリスクファクターとして1)帝王切開術, 2)術後長期臥床, 3)肥満(BMI26以上), 4)ループスアンチコアグラント陽性, 5)高血圧, 糖尿病(家族歴を含む), 6)妊娠中毒症, 7)高齢, 8)不十分な輸液があげられた. その中でも特に肥満(BMI26以上), ループスアンチコアグラント陽性, 不十分な輸液は, 肺塞栓症移行へのリスクファクターとして極めて重要であると考えられた. したがって, 肺塞栓症移行へのリスクファクターを有する妊婦および褥婦には, 十分な輸液, 抗凝固療法などを積極的に施行することが重要である. また, 肥満傾向のない妊婦でも, 抗リン脂質抗体, 特にループスアンチコアグラントの測定は肺塞栓症のリスクファクター群においては必須の検査であるといえる. |
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ISSN: | 1345-4676 |