認知行動療法

「概要」認知行動療法は, 仕事, 学業, 人間関係など, 私たちを取り巻くさまざまな生活上の問題を, 環境や状況, 気分や感情 (それに付随する身体症状を含む), 行動や態度, 考え方やとらえ方 (思考・認知) の悪循環から理解し, 人間の学習メカニズムや行動科学の諸理論に基づいた介入方略を活用しながら, 問題の解決や症状の緩和を図る心理療法である. 背景となる代表的な基礎理論としては, (1) 情動や身体症状といった不随意反応の形成と維持メカニズムに関するレスポンデント学習 (古典的条件づけ), (2) 行動や態度, 習慣や癖といった随意反応の形成と維持メカニズムに関するオペラント学習 (道...

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Veröffentlicht in:心身医学 2024, Vol.64(6), pp.561-565
1. Verfasser: 鈴木, 伸一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「概要」認知行動療法は, 仕事, 学業, 人間関係など, 私たちを取り巻くさまざまな生活上の問題を, 環境や状況, 気分や感情 (それに付随する身体症状を含む), 行動や態度, 考え方やとらえ方 (思考・認知) の悪循環から理解し, 人間の学習メカニズムや行動科学の諸理論に基づいた介入方略を活用しながら, 問題の解決や症状の緩和を図る心理療法である. 背景となる代表的な基礎理論としては, (1) 情動や身体症状といった不随意反応の形成と維持メカニズムに関するレスポンデント学習 (古典的条件づけ), (2) 行動や態度, 習慣や癖といった随意反応の形成と維持メカニズムに関するオペラント学習 (道具的条件づけ), (3) 物事のとらえ方や考え方, 予測や判断, 価値観や信念といった認知反応の形成と維持のメカニズムに関する認知理論や認知的学習理論, などがある. また, これらの学習メカニズムについては, 認知科学や神経科学との融合研究が盛んに行われており, 気分・行動・認知・身体の諸反応の形成と維持や相互影響性に関与する脳内メカニズムについても多くの実証的知見が示されるようになっている.
ISSN:0385-0307
2189-5996
DOI:10.15064/jjpm.64.6_561